2022年10月8日

西荻のこと研究所 メールマガジン53号 (2022.9.9)

投稿者: nishiogiorg

杉並区議会が始まります
第3回定例会 9月12日〜10月19日(予定)

岸本聡子さんが杉並区長となって初の杉並区議会が、9月12日(月)から開催です。
9月12日には会期の決定と岸本区長の所信表明演説が行われ、翌日からは、代表質問・一般質問と続きます。
一般質問については、どの議員が何について質問をするのか、すでにこちらに公開されています。

岸本新区長がはたしてどんなことを言うのか、注目が集まっています。当日の傍聴者がこれまでよりもかなり増えるのではないかという予想もあります。
東京新聞のWEB版では、「杉並区議会って何するの?傍聴の仕方は? いちから分かる議会ガイド」という特集が組まれています。議場までの行き方、多目的トイレの位置まで、詳細な解説で、傍聴に行ってみようかなという人をさらに後押ししてくれる記事です。
議場まで行くのはなかなか大変、という方のために、杉並区議会ではライブ中継や録画中継もあります。どんなことが、どんな空気感で話し合われているのかチェックしていきましょう。

(奥秋圭)

杉並区長選挙投票日前日の西荻窪駅前

「三鷹駅北口交通街づくりワークショップ」
に参加しました!

西荻のこと研究所のミーティングで雑談をしていた際、メンバーの一人から、「三鷹駅北口周辺道路の計画で道路を歩行者専用化する考え方があるらしいです。そういうことも可能なんですね。」との話が出ました。筆者は武蔵野市に在住、あれれ、それどこ?市民なのにちゃんとチェックしていなかったかも……と改めて武蔵野市のホームページを検索したら、『三鷹駅北口交通環境基本方針の策定に向けた考え方』が出てきました。しかも、ワークショップ参加者募集(6/4と6/25の2日間)のお知らせを発見!
早速申込み、参加できることになりました。

JR三鷹駅、南口は三鷹市、北口は武蔵野市
三鷹駅周辺は三鷹市でしょ?と思われている方も多いのではないでしょうか。確かにJR三鷹駅自体は東京都三鷹市下連雀三丁目が住所になっていますが、周辺は微妙な市境になっていて、ざっくりとですが、三鷹駅南口は三鷹市、北口は武蔵野市です。今回、私が参加したワークショップはこの北口エリア周辺にかかわることで武蔵野市が所轄しています。JR三鷹駅は1日あたり約14 万人の乗降客数(2021年データ、ちなみに西荻窪駅は約6.7万人)があり、中央線は特別快速が停車し、総武線、東西線の始発駅にもなっているなかなか便利な駅です。そんな、ポテンシャルの高い三鷹駅の北口エリアは武蔵野市としては、現況に留まらず、しっかりと街づくりとして考えていかなければならない重要なエリアとなっています。

交通環境基本方針の策定に向けた考え方
三鷹駅北口の街づくりでは「三鷹駅北口街づくりビジョン」(住む人、働く人が集い、心地よく過ごす街)が定められていて、交通環境、土地利用、緑・賑わいの3つの視点で街づくりの方向性が整理されています。「交通環境基本方針の策定に向けた考え方」は主に交通環境に関わる施策についての課題とその解決に向けた考えをとりまとめたもので、“自動車中心“から”歩行者中心“の駅周辺へということが目指すところです。

出展:「三鷹駅北口交通環境基本の策定に向けた考え方」(武蔵野市) より
出展:「三鷹駅北口交通環境基本の策定に向けた考え方」(武蔵野市) より

三鷹駅北口駅前広場は、交通重要の増加により、交通結節点として必要な交通機能を満たせなくなっているほか、幹線道路から駅前広場を通過する車が存在するなど、様々な課題が生じているようです。現在、通過交通の迂回を促すため、三鷹駅北口地区補助幹線道路の整備が進められていて、周辺の民間開発に伴い道路用地の取得が進んでいるとのことです。

この補助幹線道路を整備することで、これまで東西方向に向かうには中道新道から駅前広場を通り抜けて桜通りに出ていた通過交通や駅前広場に接続する路線の自動車交通量の抑制が期待されています。この道路の整備にあわせて、街づくりビジョンの実現に向けて具体的な取り組みが求められていて、「交通環境基本方針の策定に向けた考え方」は、今回私が参加したワークショップにおいて、三鷹駅北口を利用する地域の人たちといっしょに交通環境の課題を共有し、解決策について意見交換を行うためのたたき台となっています。

この中で、考え方として主に4つが上げられているのですが、駅に向かう”かたらいの道“という道路の一部を歩行者専用にしてしまうという考え方はとても画期的で、最近では試行的に道路を使用して、休日にマルシェを開催することもあり、歩行者専用になると賑やかな雰囲気も作れるのだなと体験済で私としては一番推したい考え方です。

出展:「三鷹駅北口交通環境基本の策定に向けた考え方」(武蔵野市) より

以上、前段の説明が長くなってしまいましたが、日常で利用している道路や駅前広場について、利用者目線でしっかりと語り合う場というものは私としては初体験。どんな意見交換がなされるのかワクワクしながらワークショップに参加しました。

【参考】
交通環境基本方針の策定に向けた考え方(武蔵野市)(PDF)
三鷹駅北口街づくりビジョン(武蔵野市)(PDF)

三鷹駅北口交通街づくりワークショップ 2日目に参加
さて、このワークショップは武蔵野市都市整備部まちづくり推進課の主催で、6/5(土)と6/25(土)の2日間(時間/14:00~16:30、場所/武蔵野芸能劇場 小ホール)開催され、1日目は「三鷹駅北口にふさわしい交通街づくり」、2日目は「実現化に向けた考え方」をテーマに意見交換を行いました。私は1日目は西荻のこと研究所のイベントがあったため、2日目のみの参加となりました。(一日だけの参加でも大丈夫とのことだったため)

【参考】
三鷹駅北口交通街づくりワークショップ

最初にあいさつ、1日目の振り返り、2日目の進め方の説明があった後、グループワークに入りました。全体で5グループ、私が入ったグループは男性4名、女性3名で構成されていて、年代も幅が広く、偏りがなくていいなぁと感じました。席にはファシリテーターとなるコンサルタント会社の担当者、市の職員が入りワークショップの進行をして頂きました。1日目のメンバーと一緒のグループのようで、2日目だけ参加の私は所在ないかなぁと心配していたのですが、すんなりとグループに受け入れていただき有難かったです。

テーマは「実現化に向けた考え方」ということで、「拡張を伴う2ロータリー化」と「2ロータリー化を踏まえた道路の役割分担について」の2つのテーマがピックアップされ意見交換を行いました。

出展:「三鷹駅北口交通環境基本の策定に向けた考え方」(武蔵野市) より
出展:「三鷹駅北口交通環境基本の策定に向けた考え方」(武蔵野市) より

私はこの時初めて、駅前広場の2ロータリー化とういう考えがあることを知りました。普段、駅を利用しているので、なるほどねぇと思うところがあり、”よいところ“、”気になるところ“というところを順番に付箋に書き、参加者は自ら発言しながら付箋を用紙に貼っていきました。この2ロータリー化については、案として示された公共交通機関、一般車両を分ける案には前向きに捉えた意見が多かったです。私は日頃から、交通公共機関(バス、タクシー)と送迎に来た一般車両が混在することに、ヒヤッとしたことも多かったので、そのような体験も踏まえて意見を出しました。他の皆さんからも色々と意見が出ていたのですが、高齢の方や車椅子を使っている方等が乗降する際に配慮できる運用になるとよいなどの意見もありました。一方、2ロータリー化するにはけっして広い空間ではなく、かえって混雑を招くのでは? 行き先の多いバスの停留所が足りなくならないか? など、現実を踏まえた指摘も出ていました。

さらに「2ロータリー化を踏まえた道路の役割分担について」では、特に印象的だったのは、車と歩行者だけでなく、自転車にも十分に配慮する必要があるという意見が多かったことです。確かに三鷹駅周辺は自転車利用が多く、車と並行して走るのは危ない状況で、歩行者との関係ではルールが曖昧な自転車利用者もいて、危険な状況を目にすることもあります。それは、ワークショップの参加者のみなさんも同様に感じていることがわかりました。

意見交換が終了した後、グループごとの発表がありましたが、ワークショップ参加者の代表が発表するのではなく、ファシリテーターがきちんとまとめて発表して頂いたため、参加者のストレスも意見の偏りもなく、とても分かりやすい発表になりました。他のグループの発表も聞いて感心したのですが、どのファシリテーターも上手い!短い時間にコンパクトにまとめて発表されていて、プロの仕事だなと思いました。

このワークショップに参加してみて、参加者が利用して実感していることを客観的に捉え意見として出されていたこと、自分の意見を主張しすぎる方がいなかったこと、お互いの意見に関心を持ち、それを踏まえて考えを展開していた方も多かったことなど、おそらく私の参加したグループ以外も同じだったように思われますが、とても気持ちが良いワークショップでした。参加者、ワークショップを担当したコンサルタントのみなさん、武蔵野市の担当者のみなさんが同じ志を持ってこのワークショップを作り上げたという達成感がありました。ここで出された意見はきちんと交通環境基本方針に反映されると期待しています。

以上、もう少しワークショップの中身についてご紹介したいところですが、まだ、武蔵野市から公式に結果発表されていないので、今回は一部の紹介にとどめました。武蔵野市のホームページに結果発表が紹介されます。興味のある方は是非ご覧になって下さい。

「三鷹駅北口街づくりビジョン」、「三鷹駅北口交通環境基本の策定に向けた考え方」では、交通環境がまちづくりには欠かせない要素として位置づけられています。道路は道路としてまちづくりとは一線を引くのではなく、ともに考えていくことが重要で、それに対して道路やまちを利用している人たちは常に関心を持ち、他者の考えに耳を傾けつつ声をあげていくことが重要だと実感しました。今回のワークショップに参加したことだけに満足せず、今後もこの方針の行く末をきちんと見守って行きたいと思います。

(平野)


すぎなみ5ストーリーズ

1932年(昭和7)10月1日、杉並町・和田堀町・井荻町・高井戸町が合併して杉並区が誕生しました。今年で90周年、杉並区では色々な記念行事が行われています。
その中で、区民や区に大きな影響を与えた5つの出来事を「すぎなみ5ストーリーズ(ファイブストーリーズ)」と名付けて紹介しています。展示や演劇・動画そして浪曲と様々なかたちで表現して、先人たちの思いを次世代につなごうとしています。

すぎなみ5ストーリーズ

1 内田秀五郎(うちだ・ひでごろう)のしごと
2 原水爆禁止署名運動
3 東京高円寺阿波おどり
4 東京ごみ戦争
5 3.11 自治体スクラム支援等の活動

西荻のこと研究所として特におすすめしたいのは、西荻窪駅を誘致した旧井荻町の町長「内田秀五郎のしごと」、公民館の自主講座から発展した住民運動をきっかけとした「原水爆禁止署名運動」。長期間にわたり地域住民の運動として東京都と交渉して和解し、工場の建設・運営に地域住民を参加させた「東京ゴミ戦争」この3つです。

杉並区のHPにそれぞれ紹介されているのでぜひご覧ください。その他、9月~10月にかけて区民センターなどでも関連の講演などが企画されているようです。区報などで確認してみてください。

(野田)

内田秀五郎関係
内田秀五郎のしごと
杉並区区制施行90周年記念企画展「内田秀五郎のしごと 杉並発展の基礎を築いた郷土の偉人」(郷土博物館分館)
「内田秀五郎一代記」玉川 太福 浪曲公演予定

原水爆禁止署名運動

東京ごみ戦争

すぎなみファイブストーリーズ

杉並紹介 「コレゾ」すぎなみ

90周年関連イベント

90周年記念誌


杉並郷土博物館
区制施行90周年記念特別展「杉並激動の昭和戦前史展」(郷土博物館)


9/23-25 ニシオギ大調査2
(再掲)

「ニシオギ大調査」は、まちを歩きながら、西荻の良いところ・気になるところを発見しよう! という調査です。西荻のまちのことはよく知っていると思っていても 、意外と気がついていないことってあると思います。そんな西荻のことを再発見して、もっともっと素敵で居心地のよいまちに育てて行きたい。そのために「西荻のこと研究所」では、みなさんと一緒に調査を行っています。6月に引き続き、第2弾の大調査です。今回は「ことビル」オープン1周年を記念して、調査に加え、レクチャーやトークセッションなど、3日間に渡り盛りだくさんです。

01「ニシオギ大調査」レクチャー会
2022.9.23(金・祝)19:00-20:30
ニシオギ大調査のことをいろいろと解説します!
場所:西荻シネマ準備室+オンライン

02 ニシオギ大調査
2022.9.24(土) 10:00-12:30 14:00-16:30
Aコース:北銀座通り Bコース:西荻窪駅南口界隈
調査 ⇨ フリーディスカッション
場所:現地・西荻シネマ準備室

03 ことビル1周年記念 トークイベント
西荻の未来を想像するために
変わりゆくまちをしらべる・記録する・考える

2022.9.24(土) 18:00-20:00
ゲスト
中島直人(東京大学大学院工学系研究科都市工学)
吉村有司(東京大学先端科学技術研究センター)
場所:西荻シネマ準備室+オンライン

04 ニシオギ大調査
2022.9.25(日)10:00-12:30 14:00-16:30
Aコース:北銀座通り Bコース:西荻窪駅南口界隈
調査 ⇨ フリーディスカッション
場所:現地・西荻シネマ準備室

「ニシオギ大調査」の調査方法

 「ニシオギ大調査」では国土交通省都市局・まちづくり推進課が提供する「まちなかの居心地の良さを測る指標(案)」を参考にしました。

 この指標(案)は「居心地が良く歩きたくなる」まちなかの形成に取り組む地方公共団体を支援するため、現状を簡易に把握し、改善点を発掘するツールとして作成されました。地域の個性と魅力を引き出すためには何が必要なのか、人々の活動があふれる空間にするには何が必要なのか等を検討する際に活用することを目的としています。

 ニシオギ大調査では専門家ではない方でも簡単に調査できるように、この指標(案)を10項目に絞り、その項目を4段階で評価する形で行います。スマホ用の調査フォームも作成しました。

 今年6月に行った1回目の調査では、北銀座通りと西荻駅南口界隈の2つのコースを選び、さらにこのコース内を5~6カ所に分けて地点ごとに評価する形で調査を行いました。また、調査後には参加者の意見交換も行いました。

評価結果は下図のように地点ごとにグラフ化し、項目による評価を可視化しました。これらのグラフを並べて分析してみると、そのコース内での評価が浮き彫りになってきます。

 ふだんなんとなく感じていることを10の項目でチェックすることで客観的に評価でき、さらに大勢の人がこの調査に参加することにより評価が集積されます。調査で得られた結果は、“西荻らしさ”の一つの指標として、杉並区などにまちの在り方や将来像を提案する際の根拠となるデータとして活用していく予定です。


西荻シネマ準備室の予定

インド映画『PK』上映会
アジアと繋がる映画会
宇宙からやってきた”PK”と一緒に
すっぴんのインドに飛び込む3時間

(終了しています)

9月23日 10時〜 13時45分〜
一般800円 学生500円


学生が中心のメディア「茶話日和」が主催するアジア映画上映会企画の第一弾。
『PK』は、コメディやラブストーリーの要素を含みつつ、社会問題について深く考えさせられる満足度100%の作品です。
もちろんインド映画の醍醐味の歌やダンスも出てきます。
上映会後は、インド滞在経験のある方のゲストトークも予定。
来場者の方には、美味しいお土産もプレゼント。
是非是非ご参加ください!


西荻シネマ準備室の貸出について

西荻シネマ準備室は、西荻窪からなくなって久しい「映画館」の復活を目標に、その実現に向けての調査研究・準備をするために設けられたスペースです!……が、ふだんは多目的スペースとして以下のようなご利用が可能です。

展示会○販売会○新製品発表会○ワークショップ会場○トークイベント会場○ミーティング・会議○撮影スタジオ○習い事○読書会○学習会○お教室○記者会見○オンライン配信会場 などなど

1時間1,500円 または1日15,000円(9-21時)

(コロナ自粛期間特別料金です)

ご利用のお問い合わせ kabu@nishiogi.org

「ことみせ」の貸出について

ことビル1Fのカフェ「nof coffee」店内入ってすぐの小さな展示スペースが「ことみせ」です。販売も可能です。出展を検討している方は、「(株)西荻のこと」までお問合せください。

展示会○販売会○作品展○研究発表 などなど

平日2,000円 土日祝4,000円
(11‐18時/木休 ※nof coffeeのラストオーダー時間まで)

ご利用のお問い合わせ kabu@nishiogi.org


西荻のこと研究所
メルマガアンケート

メルマガ読者の皆様からの叱咤激励をいただきたく、アンケートを作ってみました。何度でも構いませんので、新しいご意見を思いつきましたら、ぜひ投稿してください
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読みやすい杉並区議会議事録

平成30年9月から令和2年6月までの杉並区議会より、都市計画道路補助132号線に関するやり取りの部分だけを抜粋したPDFを作成しました。
どんなやりとりが行われているのか、ぜひチェックを。
読みやすいように縦書きでレイアウトしてみました。

以下よりダウンロードしてください。
https://nishiogi.org/wp-content/uploads/2020/08/gijiroku132.pdf


西荻窪の未来を考える会 議事録

2020年7月17日と11月20日、西荻北銀座商友会の樋代会長と、杉並区の道路と都市計画と商店街関係部署(都市整備部土木計画課・市街地整備課・産業振興センター)の担当者と、西荻のこと研究所メンバーで会合を持ちました。その際の議事録をHPにアップしました。
この「西荻窪の未来を考える会」は、将来的には西荻窪エリアに住む住民にもっと開かれたまちづくり会合の場を実現するべく、その準備として行っています。

西荻窪の未来を考える会議第1回

西荻窪の未来を考える会議第2回


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参加希望の方、まずはメールをお送りください。
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西荻のこと研究所 メールマガジン配信
次号 2022年9月21日(水) 予定


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