2022年10月8日

西荻のこと研究所 メールマガジン51号 (2022.8.12)

投稿者: nishiogiorg

上映会『夢みる小学校』報告

西荻シネマ準備室では8月7日(日)と8日(月)の2日間、映画『夢みる小学校』の上映会を開催しました。

この作品は、全国に5箇所ある「子どもの村小中学校」への取材を中心に、児童・生徒の自主性を重んじる方針で運営されている各地の学校や、教育関係者へのインタビューなどで構成された話題のドキュメンタリー。

参考:『夢みる小学校』HP

西荻シネマ準備室では、終了後に毎回、アフタートークを実施しました。
以下、トークの進行役が各回のアフタートークを振り返ります。

8月7日の10時の回のトークゲストは、善福寺プレーパークを主宰され、認可外託児所Cocoon parents squareの運営に携わる中村美奈子さんです。

みんなで楽しく過ごしたい、ゆっくり自分の時間を過ごしたい、そういって集まるお子さんたちを預かっていらっしゃいます。
「夢みる小学校」の先生たちのようにお子さんたちと接するミナちゃん(映画に倣って大人もニックネームで呼びあいました)ですが、子どもを信頼する力は、もっともっと映画を見習いたいとのご感想をいただきました。

映画を見て印象的だったのが、子どもに関わる大人たちが幸せそうだったということ。そのためには、大人が少し勉強する必要がありそうです。
そのヒントを教えていただいたので、ご紹介します。

いろいろな特性を持つお子さんたちを、寛容に見守り、理解するのに役立つ「感覚統合理論」。ご興味のある方は、Cocoon parents squareの講演会にご参加いただくか、石神井プレーパークさんのテキスト「子どもの遊び・学び・生きるシリーズ」をご覧いただくとわかりやすいそうです。
大きなハザードは大人が気をつけるけれど、ちょっとしたケガは自分持ちというルールで子どもの遊び場づくりに挑戦し続けているミナちゃん。それが実現できるのは、西荻という地域が、自分たちのチャレンジを見守って、応援してくれるからこそ、とのこと。
これからも見守り上手な地域であり続けるために、ちょっとだけ勉強して、子どもたちのことはたくさん信頼して、これからの子どもの居場所を考えていきたいですね。

(国重あさ)


8月7日と8日の14時の回のトークゲストは、本上映会の主催者であり、映画で取り上げられている「南アルプス子どもの村小学校」に娘を通わせている福田純子さん

現役の保護者とあって、参加者の方からは、寮での生活、給食や学費についてなど、かなり具体的な質問が出ました。
面白かったのは、子どもへの接し方について。子どもがおもちゃなどを片付けない場合、どうしても「片付けなさい!」と言いがちです。子どもの村では「ひたすら親が片付ける姿を見せてください」と言うそうです。綺麗な空間が気持ちいいことがわかれば、子どもは自然と自分で片付けるとのこと。実際にそのやり方にしてから、娘さんは片付けができるようになったんだそうです。

(福田倫和)


8月8日19時からの回のトークは、こと研メンバーでもある能登山明美と石田摩美子が進行役を担当。お客さんも車座になって、作品の感想や意見を言い合った。
15年間、遊びを通して体験する「冒険遊び場」を運営して、子どもの力のすごさを目の当たりにしてきたが、この映画をみて、あらためてこの15年間のあゆみの正しさを確信した。

遊び場から育った子どもたちが、一度は現実の学校や人間関係に戸惑い、孤独に悩む姿にも会ってきたが、「大丈夫」とエールを送りたい。
教育現場である学校が子ども主体となってきていることに、かつて小学生だった大人たちは皆、異口同音「こんな学校がいい」と目をキラキラ輝かせていた。

「自由には責任が伴う」ではなく、大人が背負うことだから、その覚悟が新しい学びの場づくりになる。ようやく見つけた「楽しい場所」は大人が変わることで、はじまる。一人ひとりの声を重ねて大きな声にしていこう。大人ももっと元気になろう!

(能登山明美)


西荻ブックレビュー
20代のうちに読んでおきたい課題図書

私がつかんだコモンと民主主義
日本人女性移民、ヨーロッパのNGOで働く


(晶文社)

新杉並区長となった岸本聡子さんのこれまでの人生と、政治にかかわることになった軌跡がつづられている。
アシードジャパンのボランティアから始まり、NGOでの活動を通して磨かれてきた岸本さんの考えを知ることができる一冊。

20代で日本を離れ、移民として海外で暮らしてきた岸本さんは、言葉が通じない苦労のみならず文化や習慣の違いに戸惑いや不安を感じる経験もしてきた。

ただそのような環境に身を置いたからこそ、日本にいては絶対に経験することのないマイノリティーとしての立場や、ダイバーシティの中で探り出した“自分にできること“を基に積み重ねてきた価値観を持っているのだと感じる。

バブル以降の日本は経済的にも精神的にも国内志向が強くなっていて、色々な価値観を吸収することができる留学率は同じアジアの中国や韓国と比較しても年々減少しているのだとか。
岸本さんもまたロストジェネレーションと言われるそんな時代の真ん中にいたひとりだった。

特に20代に課題図書としてお勧めしたい理由は、
自分とは何か、どちらに向かって進むべきかを暗中模索する20代には、まだ出会った事のない広い世界の断片をみて戸惑うことや、思い通りにいかない経験をすることもあるが、それらの経験が、これから先に進んでいく道しるべになるということを、岸本さんの経験が教えてくれるからだ。

学生としてまた社会人として新しい環境に入っていく過程で、ちょっとした違和感や疑問を“こんなもの“と諦めてしまう事なく、心地よい理想へと近づく方向へと向かっていくこと。そうすることで新たな出会いや縁がつながり、いつの間にか大きな動きにつながる。
経験した苦みや大きな変化はきっと自分たちの未来に変革を起こすことにつながるかもしれない。

岸本さんの歩んできた道は、決して特別に与えられた境遇や環境から得られたものではなく、社会や経済的安住と引き換えに、何にも変え難い“自由“というキップを手に自分らしい歩き方をして辿り着いた〝今“なのではないだろうかと思う。

この本のタイトルにもある「私がつかんだ…」という表現通り、この本には欲しい未来は待っていても来ないから、自分を信じて進んでみようよというメッセージがギュッと詰まっている。

そして、そんな新区長と共に新しい杉並を作っていけると思うとワクワクが止まらない。

(松本弘子)


区政を話し合う会
「聴っくオフ・ミーティング」
参加者募集

(終了しています)

(募集は終了しています)

杉並区では、区長と区民が、行政課題をテーマに直接意見交換を行う「聴(き)っくオフ・ミーティング」を開催するそうです。ただいま参加者募集中。

今回のテーマは「杉並らしい子どもの居場所づくり」。
令和4年9月3日(土曜日)午後1時30分~4時30分、天沼区民集会所(ウェルファーム杉並4階)にて。
区内在住で18歳以上の方に参加資格があります。定員は20名程度。
興味のある方は、下記リンクで詳細をチェックのこと。はがきで応募、8月16日必着です。テーマに関する意見も書いてくださいとのこと。
別途、無作為抽出した2,000名にご案内した上で、応募された方の中からも参加者を選出するそうです。

なお当日の様子は、収録・記録の上、ユーチューブ杉並区公式チャンネル等で配信するほか、報告書に掲載します。

(画像は杉並区広報ツイッターより)


速報!!
ニシオギ大調査 開催
2022.9/23-25

西荻のまちを歩きながら、良いところ・気になるところを発見/再発見しよう! そうしてさらに素敵で居心地のよいまちに育てて行きたい! 6月に引き続き第2弾の大調査です!
「ことビル」オープン1周年記念、レクチャーやトークセッションなども盛りだくさんの予定。詳細は次回以降のメールマガジンにて!!


西荻シネマ準備室の貸出について

西荻シネマ準備室は、西荻窪からなくなって久しい「映画館」の復活を目標に、その実現に向けての調査研究・準備をするために設けられたスペースです!……が、ふだんは多目的スペースとして以下のようなご利用が可能です。

展示会○販売会○新製品発表会○ワークショップ会場○トークイベント会場○ミーティング・会議○撮影スタジオ○習い事○読書会○学習会○お教室○記者会見○オンライン配信会場 などなど

1時間1,500円 または1日15,000円(9-21時)

(コロナ自粛期間特別料金です)

ご利用のお問い合わせ kabu@nishiogi.org

「ことみせ」の貸出について

ことビル1Fのカフェ「nof coffee」店内入ってすぐの小さな展示スペースが「ことみせ」です。販売も可能です。出展を検討している方は、「(株)西荻のこと」までお問合せください。

展示会○販売会○作品展○研究発表 などなど

平日2,000円 土日祝4,000円
(11‐18時/木休 ※nof coffeeのラストオーダー時間まで)

ご利用のお問い合わせ kabu@nishiogi.org


西荻のこと研究所
メルマガアンケート

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読みやすい杉並区議会議事録

平成30年9月から令和2年6月までの杉並区議会より、都市計画道路補助132号線に関するやり取りの部分だけを抜粋したPDFを作成しました。
どんなやりとりが行われているのか、ぜひチェックを。
読みやすいように縦書きでレイアウトしてみました。

以下よりダウンロードしてください。
https://nishiogi.org/wp-content/uploads/2020/08/gijiroku132.pdf


西荻窪の未来を考える会 議事録

2020年7月17日と11月20日、西荻北銀座商友会の樋代会長と、杉並区の道路と都市計画と商店街関係部署(都市整備部土木計画課・市街地整備課・産業振興センター)の担当者と、西荻のこと研究所メンバーで会合を持ちました。その際の議事録をHPにアップしました。
この「西荻窪の未来を考える会」は、将来的には西荻窪エリアに住む住民にもっと開かれたまちづくり会合の場を実現するべく、その準備として行っています。

西荻窪の未来を考える会議第1回

西荻窪の未来を考える会議第2回


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次号 2022年8月26日(金) 予定


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