2021年4月30日

西荻のこと研究所 メールマガジン 22号 (2021.4.12)

投稿者: nishiogiorg

まちづくり懇談会にみる
行政のホンキ度

「あんたは街を殺す気?」もしも、ジェーン・ジェイコブスがあの場にいたら、かの有名なこのセリフがまた飛び出ていたかもしれません。
ちょっと過激な表現ですが、これは1950年代のアメリカで、車中心の都市計画に対し異論を唱えた都市活動家が、ニューヨークを中心にアメリカ各都市で機能的で近代的なまちづくりを推進したデベロッパー、ロバート・モーゼスに対して言った言葉です。
 
去る3月20日(土)、杉並区の「西荻まちづくり懇談会」がコロナ禍のなかでの初の試みとしてオンラインにて開催されました。
平成30年度から6回にわたり開かれてきた懇談会は、西荻窪駅周辺の「まちづくり方針」を策定するための住民参加の場として設けられています。
住民が感じている街の魅力や課題をすくいあげてまちづくりに活かしていこうという取り組みです。
懇談会開催を通じて『地域の皆様が考える西荻窪駅周辺のまちの将来像』の取りまとめへとつなげていくということで、行政が意見を募っていますが、今回参加者からは次のような意見が出されました。

  • 懇談会に参加できる対象者のエリア選定について。まちづくり方針を決めることなので参加できる住民の範囲をもっと広げるべき。
  • 都市計画道路補助132号線の道路拡幅計画を、安全安心なまちづくりのために行うのであれば、本来ならば、ある一定数の視覚・聴覚障害者や車椅子の方に積極的に懇談会に参加してもらい意見を汲み上げるべき
  • まちづくりのための懇談会を開いておきながら、現在の街並みを壊してしまうような道路計画を進めていては、何のための懇談会なのか?
  • 今までの懇談会でも多くの住民から西荻の良さを残したいという意見があるのに、まちを刷新するような道路計画を進めるのでは、住民の意見を無視することになる。懇談会を開き意見を聞くというのはただの行政手続き上のアリバイづくりではないのか。

そんな厳しい意見が多く聞かれました。

行政の真意はわからないけれども、ホンキで「まちづくり方針」に住民の意見が反映できるよう丁寧に何度も懇談会を開催しているとしたら、「アリバイづくり」だなんていわれるのは甚だ遺憾であろうから、ちょっと気の毒ではあるが、過去の懇談会の際にも同じような意見が出ているにも係わらず、その意見が一向に議事進行に反映されないのだから、参加者がそう言いたくなるのも無理はない。

そう、同じ「まちづくり」というテーマで話をしているのに、行政と住民とでは「まちづくり」の定義が少々ずれているようです。

「人間中心のまちづくり」を提唱した都市­デザイナー ヤン・ゲールは、近代的な都市か伝統的な都市かを問わず「人間にとってより良い環境を作ること」が都市デザインにとって共通のテーマであると言っています。大切なのは、人々がパブリックライフのクオリティを感じられるスペースをつくることで、人々のアクティビティ(活動)を中心として、「 Quality of Life(日々の暮らしのいとなみの質)」を高めるような場所や環境を補完的な役割としてつくることだと。
また、冒頭のジェーン・ジェイコブスは、画一化された都市計画に疑問をいだき、活気ある都市を徹底的に考察したところ、
「人々が都市をつくるのだから、建物ではなく人々に都市を合わせるべき」「都市は生き物であり、秩序ある複雑性が重要だ」と結論づけています。

懇談会は今年も引き続き開催されるそうです。今回の参加者はたったの20数名。せっかく意見をだしても結局何も変えられないからか、参加者が段々と減っているという声も多く聞かれます。
貴重な時間と税金を使って開催される懇談会、住民も行政もホンキで取り組んで、まちづくりの意義と価値のすり合わせから「協働」できなければ、誰にとっても実感のない「まちづくり方針」になってしまうのではないでしょうか。

  (松本)


こと研ブックレビュー
こと研メンバーのオススメ本をご紹介。
お買い求めはぜひ西荻窪の本屋さんで!

「西荻窪 三ツ星洋酒堂」
秋田書店
浅井西 作


「西荻ヨンデノンデ」
講談社
玉川重機 作

西荻が舞台のマンガを2冊ご紹介。1冊目『西荻窪 三ツ星洋酒堂』はご存知の方も多いかもしれません。テレビドラマ「西荻窪 三ツ星洋酒堂」の原作で、缶詰を使った料理を出すバーが舞台。読んでいると美味しそうで食べたくなるのですが、実際の商品名とレシピも載っていて再現も可!

2冊目は『西荻ヨンデノンデ』。こちらもバーが舞台のお話。こちらのバーは本を読みながらお酒を飲めるお店です。毎話、作家や本の紹介があるのですが、西荻にゆかりのある、へぇ!ほぉ!な情報もあり、今度本屋で手に取ってみようかな、な本も増えました。
 どちらも西荻を舞台にし、お酒を飲みながら交わす会話の中に人生の深みが垣間見え、街にはたくさんの人が住んでいて、人の数だけ人生があるよなあ。と当たり前のことを心の中で唱えたくなりました。

もちろん、「西荻」が舞台ですから、読んでいると、あ〜!あそこだ!あのお店だ!なんて楽しみも。でも、あまりネタバレをしてももったいないので、ぜひ、西荻でカッテヨンデみてください!

(柴田久美)


ガネーシャガルのキッチンカー
地元のファーマーズマーケットとのコラボ

キッチンカーで扱う食材について、地元野菜を使いたいと思い、
吉祥寺にある、武蔵野市・友好都市アンテナショップ「麦わら帽子」で話をしてみた。

店内にはかわいい野菜たちが丁寧に並べられてる。
地元のお野菜というより友好都市アンテナショップということで、
日本全国からお野菜が届くようだ、各地の美味しい日本酒も揃ってる!

おっと、キッチンカーに関係無い……が見てるだけで楽しい……

企画書と名刺を渡し、相談してもらう事になった。
もちろんここで野菜を買ってカレーを作ることに問題ないでしょうが、
メニューにその事を明記する許可をもらえるかどうかーということです。
せっかくの食材なので、アピールしてコラボ感を出したいっ。

次に荻窪にある「JA東京中央ファーマーズマーケット荻窪」で店長さんと話をした。
ここの店長さんがとても楽しい方で、話しているうちに話は広がり、駐車場を使ってのイベント話までーーー
いつまでも会話していたいような楽しい時間でした。
これから暖かくなり野菜も増えますね
美味しい地元野菜のカレー、乞うご期待!

(松岡美由起・ガネーシャガル)

ガネーシャガルのキッチンカー「ムシカ号」は、毎週月曜日、世田谷区羽根木1−19、インターナショナルガーデンハウス内にて出店中。11〜14時・雨天中止
最寄り駅は井の頭線の新代田駅です。お近くの方はぜひ。


西荻のこと研究所
メルマガアンケート

メルマガ読者の皆様からの叱咤激励をいただきたく、アンケートを作ってみました。何度でも構いませんので、新しいご意見を思いつきましたら、ぜひ投稿してください
アンケートはこちらから

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読みやすい杉並区議会議事録

平成30年9月から令和2年6月までの杉並区議会より、都市計画道路補助132号線に関するやり取りの部分だけを抜粋したPDFを作成しました。
どんなやりとりが行われているのか、ぜひチェックを。
読みやすいように縦書きでレイアウトしてみました。

以下よりダウンロードしてください。
https://nishiogi.org/wp-content/uploads/2020/08/gijiroku132.pdf


西荻窪の未来を考える会 議事録

2020年7月17日と11月20日、西荻北銀座商友会の樋代会長と、杉並区の道路と都市計画と商店街関係部署(都市整備部土木計画課・市街地整備課・産業振興センター)の担当者と、西荻のこと研究所メンバーで会合を持ちました。その際の議事録をHPにアップしました。
この「西荻窪の未来を考える会」は、将来的には西荻窪エリアに住む住民にもっと開かれたまちづくり会合の場を実現するべく、その準備として行っています。

西荻窪の未来を考える会議第1回

西荻窪の未来を考える会議第2回


本メールマガジンに掲載したアンケートと座談会を収録した冊子ができました。300部限定で配布をしていますので、必要な方は西荻のこと研究所までご連絡ください。

西荻のこと研究所のミーティングに遊びに来ませんか。
毎週水曜19時〜21時くらい
西荻エリアにて(主にカフェインザラフ)

研究所員をいっしょにやりませんか?
参加希望の方、まずはメールをお送りください。
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次号 2021年4月22日
(木)予定


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