2021年4月29日

西荻のこと研究所 メールマガジン 21号 (2021.3.29)

投稿者: nishiogiorg

祝・こと研 卒業
2年間の修士研究を終えて

写真:2020年11月、道路拡幅計画の展示風景

 私事ですが、今年の3月に大学院を修了しました。その修士研究のフィールドとして約2年間、西荻窪のまちに関わらせていただきました。2019年の初夏、地域の人がどのようにまちづくりに関わっていくのかを知りたいといった漠然とした関心から飛び込んだ私をニシオギ空想計画、そして西荻のこと研究所と引き続いて活動に参加させてくださったことに心から感謝しています。今回はそのまとめとして少しスペースをいただいて、私から見た彼らの活動をお話していきたいと思います。
 
 まずは簡単に空想計画のことを振り返ります。空想計画の活動は来街者も含めて西荻窪というまちのことを心から思っている人々がまちに関わっていくきっかけとなっていたと思います。

 現行の制度上においてまちづくりの参加対象としてあげられるのは地権者や住民、商業者など直接その土地の変化に影響を受ける人々です。私の地元である大田区で私の家から徒歩圏内である池上駅でもまちづくりフォーラムが開催されていますが、駅周辺の地権者の組織が行政や企業とともに考えたまちづくり案を説明されるだけで意見を言うなどということができません。またまちづくりカフェというまちづくりの拠点としてつくられたカフェも広報通りの運用はされておらず、直接影響を受けない人間は口を挟む余地もないのかと落胆しました。

 そのため、空想計画においては「自由に空想する」というテーマの下、住民も来街者も好き勝手にまちの未来を考えて話を膨らませたり、昔のまちを思い返したりしている姿がとても印象に残っています。

 ここでならばまちを思っている人が意見をいえるようなまちづくりの糸口を見つけられるかもしれない、そういう思いで図々しくもミーティングやイベント準備に参加し続けました。2019年の秋に行われた企画展示の準備を、熱意を持ちながらでもどこかゆるく楽しそうに行っている姿に、私までも研究のためではなく個人として西荻窪のまちづくりに関わっていきたいという思いになりました。このように空想計画の活動は周囲を巻き込みながらだんだんとその輪が大きくなっていく、そんなものであったように感じています。

 次に西荻のこと研究所について思い返していきます。2019年に空想計画が一旦の終わりを迎えると知り、私は内心残念に思っていました。住民・来街者を問わず、まちの未来を考えていく意見交換の場としての空想計画は、その活動からあらたな市民活動が派生して全体としてまちづくりが行われていく予感を感じさせていました。空想計画は継続していくことでより多くの活動のきっかけとなると考えていたからです。

 しかし2020年からは似た活動を行っている人々と合流して道路問題という具体的な問題に対して実際にアプローチをかけようと動いている姿を見て、空想が実るまで待っていられないから活動の次元を一つ上げたのだと納得しました。確かに道路計画はすでに動き出しており、結果が出るまで長期戦になるだろう空想計画は戦略としてマッチしていなかったのだと思います。

 こと研のミーティングに参加するようになってからは新しく知り合ったメンバーが多く、こんなにもまちづくりに意欲的な人が多いのだなと驚きました。またそれぞれが各々の専門性を活かしてまちづくりに関わろうとしていました。当然、空想計画のようにただ理想を話し合っているのではなく、現実の課題に向き合っているためにメンバーへの負担が大きくなっていると感じる場面も多く感じられました。しかしそのような時でもメンバーが自分の関心に基づいて旗振り役を変えながら活動を続けてきました。そのため途中で活動が途切れることなく、少しずつ理想へと歩みを進めているのだと思います。このようにこと研は壁にぶつかったとしてもあきらめずに多様なアプローチをすることでその壁を乗り越えることを試みています。今年も新しいプロジェクトが動き出しているので私も今後を楽しみにしています。

 2年間の参与観察を通して、私はまちに関わるということを多く教えていただきました。指導の先生や先輩からはあまり入り込みすぎると客観的に活動を観察できなくなってしまうためつかず離れずにいることを意識して観察をした方が良いとといわれていました。ですが気が付くと自分自身もメンバーとして何かまちの未来を良くしたい、そう思えるほど引き込まれる活動だったと思います。

 西荻窪を観察していて感じたことは、西荻窪に関わる人々はまちに関心を持っている人が多いということです。個人のやるべきことややりたいことが多様化している現代日本で道路が拡幅される、再開発が行われる、そういったまちの変化を「あっそう」で済ませてしまう人が多いと感じています。そんな中で西荻窪の人々は空想計画で未来を語り合ったり、展示会で考えを述べたりとまちへの意見を持っている方が多いと感じました。まちを構成しているのは人だと思います。まちのことを思っている人の多い西荻窪でどのような未来が作られていくのか、夢が広がります。

 また、こと研はまちのために自分のやりたいことを実現するために力を貸してくれる方々のいる場所です。やりたいことがあるけれどその一歩が踏み出せない、誰かに背中を押してほしいといったときにこと研のメンバーにアイデアを話してみるといいかもしれません。もちろん自分のアイデアですから実現するのは自分自身です。しかし話してみることで案がより具体化したりアドバイスをもらえたりすると思います。

 最後に、2年間大変お世話になりました。この場を借りて重ねて感謝を述べたいと思います。ありがとうございます。少しといいながら長々と話を続けてしまいました。4月から社会人になり、今ほど西荻窪やこと研に関わることはできなくなりますが、休日に遊びに来たり、イベントのお手伝いをさせてもらったり、これからも関われるところで西荻窪というまちに関わっていきたいと思っています。

  【文・修士(環境学)西澤】


ガネーシャガルのキッチンカー
羽根木食堂、毎週月曜日に出店してます。

3月から『羽根木食堂』月曜日のランチタイム(11時~14時)の営業が始まった。

朝9時に西荻の店で荷物を積み込み、青梅街道から環七に入り南下、羽根木に向かう、
空いていれば30分ほどだがこの時間帯は1時間かかる。
10時に羽根木に到着して準備スタート!番最初にタンドールに火を付ける。
ナンを焼く窯を1時間かけて温めるのだ。
オーダーで焼くナンは焼き立て…………だが、以前買われたお客様からつい先日ご意見いただきました。。。

『せっかくの焼き立てナンが折りたたんでパックに詰めていたので、湿気ていて残念でした。』

!!! なんて申し訳ない事をしていたのだ!
そう、扱うのがカレーということもあり、フタがしっかり閉まらなければならない、そしてナンをどうおさめるか……
なおかつ環境に優しいもの……う~~~ん。

包材屋と話をすることにしました。プロに聞こう!
また何か良いアイデアお持ちの方がいらっしゃれば、よろしくお願いします。
つづく

(松岡美由起・ガネーシャガル)

出店場所は、世田谷区羽根木1−19、インターナショナルガーデンハウス内。
最寄り駅は井の頭線の新代田駅です。お近くの方はぜひ。


こと研ブックレビュー
こと研メンバーのオススメ本をご紹介。
お買い求めはぜひ西荻窪の本屋さんで!

草木鳥鳥文様(くさきとりどりもんよう)」

福音館書店

長島有里枝 写真
ユカワアツコ 絵
梨木香歩 文

グミ、コゲラ、ゴイサギ、バン、カイツブリ、アオバズク、アオサギ、キセキレイ、ジョウビタキ、アオジ、シロハラ、カルガモ、メジロ、オナガガモ、スズメ、ハシブトガラス。

この本に掲載されている36の種類の鳥たちのうち、善福寺住まいの私が公園や庭で出会った鳥たちを数えると、16、いました。旅先で声を聴いたり姿を見たものを足すともういくつか。著者の鳥にまつわる体験や雑感は、そうそう、だったり、へえそうなんだ、だったり、こちらの個人的な体験も思いおこさせてくれます。

この本の鳥を描いたユカワアツコさんには、2014年に『西荻観光手帖』(西荻窪商店会連合会発行、西荻案内所制作)自然編の野鳥図鑑の絵も手掛けていただきました。(現在『西荻観光手帖』は販売を終了しているのですが、図書館や、西荻窪のあちこちのお店の本棚に置かれていたりするので、ぜひお手にとって見てみてください。ときどきそんな中に1冊2冊、販売分が置かれていることもあるので、店主さんにおたずねを。)

西荻窪の雑貨店FALLや、もりのことでの展示で、実物を目にされた方もいらっしゃると思いますが、鳥たちはそこに息づいているように、自然に「いる」ので、どうかすると「とと」「ぱたぱた」と引き出しの外の世界にとびだしてしまいそうです。しずかで温かい、不思議な魅力の鳥たちを眺めるだけでもとてもいいのですが、この引き出しが置かれているのが、西荻窪のいろいろな場所であることに気づくと、またうふふと笑みがこぼれてきます。
ピヨトトシャ、ていねいに、もりのこと、JUHA COFFEE、一欅庵、りげんどう、あと知ってるのだけどこれ、どこだったっけ?……答え合わせの楽しさもゆっくり味わいたいと思います。

(奥秋亜矢・西荻案内所)


西荻のこと研究所
メルマガアンケート

メルマガ読者の皆様からの叱咤激励をいただきたく、アンケートを作ってみました。何度でも構いませんので、新しいご意見を思いつきましたら、ぜひ投稿してください
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読みやすい杉並区議会議事録

平成30年9月から令和2年6月までの杉並区議会より、都市計画道路補助132号線に関するやり取りの部分だけを抜粋したPDFを作成しました。
どんなやりとりが行われているのか、ぜひチェックを。
読みやすいように縦書きでレイアウトしてみました。

以下よりダウンロードしてください。
https://nishiogi.org/wp-content/uploads/2020/08/gijiroku132.pdf


西荻窪の未来を考える会 議事録

2020年7月17日と11月20日、西荻北銀座商友会の樋代会長と、杉並区の道路と都市計画と商店街関係部署(都市整備部土木計画課・市街地整備課・産業振興センター)の担当者と、西荻のこと研究所メンバーで会合を持ちました。その際の議事録をHPにアップしました。
この「西荻窪の未来を考える会」は、将来的には西荻窪エリアに住む住民にもっと開かれたまちづくり会合の場を実現するべく、その準備として行っています。

西荻窪の未来を考える会議第1回

西荻窪の未来を考える会議第2回


本メールマガジンに掲載したアンケートと座談会を収録した冊子ができました。300部限定で配布をしていますので、必要な方は西荻のこと研究所までご連絡ください。

研究所員をいっしょにやりませんか?
参加希望の方、まずはメールをお送りください。
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次号 2021年4月8日
(木)予定


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