2023年11月21日

西荻のこと研究所 メールマガジン70号 (2023.9.4)

投稿者: nishiogiorg

銀座はどうやって銀座らしさを育んできたのか?
―銀座が銀座であり続けているわけ
トークイベント 報告

7月8日に開催したトークイベント「銀座はどうやって銀座らしさを育んできたのか?」は、銀座街づくり会議・銀座デザイン協議会事務局長の竹沢えり子さんをお迎えして大変意義深いイベントとする事ができました。ご参加頂いたみなさまはじめ、関係して下さった方々にお礼を申し上げます。

 銀座の歴史、まちの構成に始まり、どのように地域の声がまちづくりの意思決定へ繋がっていったかなど、お話を伺うことができました。
実例を交え、広告や建物が銀座デザイン協議会との協議を通してお互いに納得できる結果になっていく過程は、見習いたい姿勢のひとつです。
そのような中、言葉は様々でしたが「銀座らしさ」がまちづくりのキーになっていました。銀座は大火や震災、戦争と、大きな被害を受け、その都度まちを(ほぼ)ゼロから築き上げてきたという壮絶な歴史がありました。
その中で、まちを以前の状態に戻すのではなく、未来を見据え常に変化し続けてきたことこそが、「銀座らしさ」を支える大切なポイントだったのだというのです。銀座の華やかさに目が行きがちですが、そのまちを支える地域の地道で粘り強い活動を知ることができました。

西荻も開駅100年を迎え、まちの色合いや独自の特性が現れてきたからこそ「西荻らしさ」という話題にもなるのだと思います。地域を育んできた活動や声を、そのまちの意思決定へと繋げていく大切さと苦労に感銘を受ける会でした。

今後もこと研ではまちを考えるきっかけになる様な会を企画しておりますので、是非ひきつづきメルマガをチェックして下さい。
この会のきっかけとなった、竹沢えり子さんの著書「銀座にはなぜ超高層ビルがないのか」もお勧めです。

  (石井祐樹)


旧・善福寺児童館のこと

令和5年6月にコロナが5類になったということで、「子ども・子育てプラザ善福寺」(旧・善福寺児童館)の3階では、久しぶりに中高生委員会のワイワイ子ども食堂が再開された。
中高生が、明るいグリーンのソファでくつろいだり、卓球で遊んだり、会話を楽しんだり。学校でもない、家庭でもない居場所で楽しんでいた。「うまそうな匂い!」「今日なに?えっ?何か手伝う?」という声もきこえてきた。

私は善福寺児童館子ども・子育てをより良くする会(以下、良くする会)の活動をしています。
この会は、平成30年秋に杉並区の施設再編計画において善福寺地域での今後の流れについての説明会を当時の児童館の館長・鈴木良東さんが開いてくれたことが始まりでした。集まったのは普段から善福寺児童館で子どもたちと関わる地域の方々。当時は施設再編計画をよく知る人は少なく、子ども・子育てプラザの名前を知る人もいなかったと思います。

当時の館長の説明により分かったことは……

(1)児童館がなくなるらしい⁉
(2)学童クラブ、放課後居場所事業が民間委託され、その機能役割が学校内に設置されるらしい⁉
(3)西荻地区には子育てブラザを2軒設置するらしい⁉
(4)おそらく善福寺児童館はなくなり、用途変更となるらしい?


未確定事案ばかりで、今後の計画に善福寺児童館が入るかどうかも不確かな上に、いつ頃の話になるかも分からない…そんな状況でした。
児童館は児童福祉法のなかに定められている児童厚生施設のことで、0歳から18歳が対象年齢となっています。一方で杉並区が再編を進める「子ども・子育てプラザ」は、主に乳幼児を対象にした施設となっています。善福寺児童館は伝統的に中高生の利用が他館より多く、中高生委員会が組織されていました。私はこの話を聞き、中高生の居場所が善福寺児童館からなくなるのではという危機感を持ちました。

変化を受け入れつつ、地域の子育て環境をより良くするために私たちは何をすべきか。どうしたいのか? 出来ることは何か?……意見交換や勉強会を重ねました。
そして集まっては、こうなったらいいな、楽しいなという夢を語ったのです。真面目に夢と未来を語り、思いを共有することで、会の向かうべきところが見えてきたのだと思います。こちらのイメージ画はそれらをギュッと詰め込んだものです。

私たちはこの夢に近づくために、「子ども・子育てプラザ和泉」や和泉学園の学童クラブ放課後居場所、「子ども・子育てプラザ成田」へ見学に行きました。計画調整係長とも懇談しました。善福寺児童館で活動する中高生委員会とも連携し、意見交換や情報共有をするようになりました。声なき当事者(0歳から18歳)たちの意見や思いは、私たちの大人の考えや夢以上に尊重されなければなりません。

子どもたちにヒヤリングを続け、子育てプラザの中に小中高校生の居場所が見いだせないか、利用時間やエリアで工夫ができないかなど検討が始まりました。中高生委員会と児童青少年課との話し合いがはじまり、西荻のこと研究所のメンバーから、建築家の石井さん、国重さん、石田さんに入ってもらいました。

その結果できあがった提案はかなり専門性の高いものになりました。建物エリアを越え、となりにある公園も含めた改善提案にまで発展、子どもたちを含め実際に公園にあつまり、必要なものは何かを検討、小さな子どもたちには思いを絵に書いてもらいました。
そこから具体的な設計図を書き、グレードの高い提案書をつくって、それを元に行政と話し合いをおこないました。中高生委員会の話し合いでもこと研メンバーからアドバイスをもらいました。

結果、残念ながら公園との連携の提案は棚上げとなりましたが、令和4年に旧・善福寺児童館が「子ども・子育てプラザ善福寺」として開館した際、3階部分に中高生委員会が活動できるエリアを確保することができました。条件付きですが「ざりまるルーム」(※「ざりまる」はザリガニがモチーフのシンボルキャラクター)という名称付きで中高生の居場所を残すことができました。

大木の元で集い、出会い、木陰で休み、たくさんの果実や種を育てる、枝葉は広く伸び多くを受容する……そんな地域の子どもの居場所を求め、地域の思いが少しづつ重なりつながりました。
ただし、中高生の居場所を持続させるには継続的な利用が不可欠です。そのためには中高生による自立的な運営と、それをしっかり見守る地域ぐるみのサポートが必要なことは言うまでもありません。

この場を借りて、児童館時代に関わった地域の方々、職員、そして当時の子どもたちに深く感謝し敬意を表します。最後に特記しておきたいことは、善福寺児童館は子どものための施設としての側面だけでなく、善福寺地域の住民と共に、充実した子育て環境を積極的につくり提供し続けることで、地域の人々に愛され育まれてきた場所だということです。「子ども・子育てプラザ善福寺」もそれを引継ぎ、地域の人に愛され次世代へ繋がる場所であり続けますように…。

(山崎・能登山)


地権者と行政だけのやり取りだけでは課題あり
〜買収済み道路用地の暫定整備で起きたこと〜
のつづき

前回のメルマガで、北銀座通りに面するマンション前の敷地で発生した問題について取り上げました。暫定の道路整備で店子の意向が聞かれないまま、期間が決定され工事が行われようとしていたことで、最終的には工事期間について、地権者と行政だけでなく、隣接の店子も交えて調整することになったようだ、というふうにまとめたのですが、どうも実際にはそうはならなかったようです。

暫定の道路整備については、地主から区が用地を買い上げる際、地主はその場所を更地にして渡すというのが条件になっています。なのでこの店舗前の当該地では、スペースのタイルなどを剥がすのは地主側がする工事、その後の調査と舗装が区側がする工事となります。店子さんにはどうやら、地主側がする工事の日程についての調整だけが行われ、その後の舗装整備の工事については、ぎりぎりまで日程を知らされなかったとのこと。結果、店舗の営業と工事期間が重なり営業に支障がでる事態となりました。この店舗は道路用地に隣接していながら、実際にかかっているわけではないので、営業補償などは一切発生しないのです。工事はすでに終了していますが、店主も怒り心頭。そもそも声をあげなきゃ調整もされず、やったとしても最低限の対応。今後も同じような事案が発生するのではと憂慮します。トップ(区長)が変わったからといって行政が劇的に変わるということはない、継続的に声を伝えていくことが必要なのだなと思います。

(奥秋)


いつでもできます
ニシオギ大調査

  「西荻のこと研究所」で実施している「ニシオギ大調査」は、当初はイベント開催でしたが、現在では恒常的にできるようになっています。コースはAコースとBコースの2種類。
スタート地点から歩きながら、チェックポイントにてスマホで入力フォームにアクセス。それを繰り返すだけの簡単調査です。
コースガイドは「西荻のことカフェ」はじめ、西荻のいろんなお店のチラシラックなどにありますので探してみてください。こちらからPDFのダウンロードも可能です。


大好評発売中!!!
「ニシオギ空想新聞Vol.2」

(全16ページ/フルカラー)
発行日 2023年3月15日
販売価格 330円(税込)

西荻の道路や開発のことを扱った「ニシオギ空想新聞2」。ぜひ多くの方に読んでいただいて、西荻の人自身で西荻のことを考える機運となればと願っています。

販売店(5/31現在・順不同)
西荻のことカフェ/信愛書店/古書音羽館/村田商會/カフェインザラフ/暮らしのいろいろ ていねいに、/三つ枝商店/インド料理ガネーシャガル/カフェカワセミピプレット/今野書店/Loupe/Dawner/やきとり戎/アトリエハコ/サロン+アトリエポルカ/Title/BREWBOOKS/ランチハウス/数寄和


目次:
◯抄録 ことビルオープニングトーク 「西荻のこと、まちのこと、これからのこと」     饗庭伸・中島直人
◯報告 ニシオギ大調査     コース紹介・参加方法・分析座談会
◯分析 さとことブレスト
◯インタビュー 都市計画道路担当課長・星野剛志さん
◯4つの疑問と6つの提案
◯インタビュー 西荻の人に聞きました2
やきとり戎/JR西荻窪駅/関東バス株式会社     信愛書店/あなたの公差転/杉並区長/中野書店     区議会議員(1)/区議会議員(2)
◯ニシオギ空想新聞図書室


お問い合わせメール
info@nishiogi.org

なお、3年前の2020年1月に西荻案内所から発売されたVol.1はこちらから無料でダウンロードできます。そちらも合わせてぜひチェックを。


西荻シネマ準備室の貸出について

西荻シネマ準備室は、西荻窪からなくなって久しい「映画館」の復活を目標に、その実現に向けての調査研究・準備をするために設けられたスペースです!……が、ふだんは多目的スペースとして以下のようなご利用が可能です。

展示会○販売会○新製品発表会○ワークショップ会場○トークイベント会場○ミーティング・会議○撮影スタジオ○習い事○読書会○学習会○お教室○記者会見○オンライン配信会場 などなど

1時間2,200円 または1日22,000円(9-21時)


ご利用のお問い合わせ kabu@nishiogi.org

西荻のこと研究所
メルマガアンケート

メルマガ読者の皆様からの叱咤激励をいただきたく、アンケートを作ってみました。何度でも構いませんので、新しいご意見を思いつきましたら、ぜひ投稿してください
アンケートはこちらから

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読みやすい杉並区議会議事録

平成30年9月から令和2年6月までの杉並区議会より、都市計画道路補助132号線に関するやり取りの部分だけを抜粋したPDFを作成しました。
どんなやりとりが行われているのか、ぜひチェックを。
読みやすいように縦書きでレイアウトしてみました。

以下よりダウンロードしてください。
https://nishiogi.org/wp-content/uploads/2020/08/gijiroku132.pdf


西荻窪の未来を考える会議 議事録

2020年7月17日と11月20日、西荻北銀座商友会の樋代会長と、杉並区の道路と都市計画と商店街関係部署(都市整備部土木計画課・市街地整備課・産業振興センター)の担当者と、西荻のこと研究所メンバーで会合を持ちました。その際の議事録をHPにアップしました。
この「西荻窪の未来を考える会議」は、将来的には西荻窪エリアに住む住民にもっと開かれたまちづくり会合の場を実現するべく、その準備として行っています。

西荻窪の未来を考える会議第1回

西荻窪の未来を考える会議第2回


研究所員をいっしょにやりませんか?
参加希望の方、まずはメールをお送りください。
info@nishiogi.org


西荻のこと研究所 メールマガジン配信
次号 2023年9月16日(土) 予定


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