2021年11月15日

ことビルオープニング企画トーク(1)

投稿者: nishiogiorg

「西荻のこと、まちのこと、これからのこと」

ことビルのオープニングイベントとして、9月19日(日)に、まちづくりや都市計画の專門家である饗庭伸さん、中島直人さんをお招きして、「西荻のこと、まちのこと、これからのこと」と題してトークイベントを行いました。メルマガではその様子を4回にわたってご報告します。今回はその1回目として、これまでの「西荻のこと研究所」の活動を振り返りながら、ことビル誕生の経緯についてご説明します。

国重:皆さんこんにちは。西荻のこと研究所の国重と申します。本日は「ことビルオープニング企画」にご来場いただきましてありがとうございます。
本日は、私たち西荻のこと研究所のご紹介を踏まえた上で、東京都立大学の饗庭先生と、東京大学の中島先生をお招きしてトークイベントを開催いたします。
もし不具合などありましたらチャットにコメントいただければと思います。質疑やディスカッションが始まりましたらマイクをオンにしてコメントを頂きたいと思います。

ことビルのこと

まずこの西荻での活動をご紹介いたします。
今から20分ほどご説明し、その後ゲストの先生方に 30分ずつお話していただきます。その後に質問タイムも設けておりますので、あらかじめチャットの方にコメントをいただくか、手を挙げるなどしてご意見を述べたい旨をこちらにお伝えください。

神明通りにカントリーキルトマーケットという手芸業界では有名なお店が閉店することになったので、私たちが借り受け「ことビル」という名前で運営をしていくことになりました。
西荻はチェーン店が少なく個性的なお店がたくさんあるのが特徴の一つです。閉店にあたってこの建物が取り壊されてしまったり、チェーン店が入ってしまったりするのは残念だと思い、まちづくり会社を立ち上げて借り上げ、サブリースを行っています。

まちと人が繋がること、まちの時間がつながること、まちの種が育つこと、を大事にしまして、みんなで育っていける場所をつくりたいという考えでオープンいたしました。1階にはnof coffeeさんというカフェが入り、2階には私たちが運営する「西荻シネマ準備室」と、あとカントリーキルトマーケットで働いていらっしゃった方たちがあらたに独立してオープンしたbleu de nimesさん、3階にはウェブデザインのnon-standard worldさんと、ランドスケープデザインのorioriさんに入っていただくことになりました。みんなで協力してこの場を盛り上げていきたいと考えています。
私たち自身は、1階のnof coffeeの店先部分に「ことみせ」と名付けた小さな展示ギャラリーの貸出や、「西荻シネマ準備室」をレンタルスペースとして活用していこうと考えています。また屋上の活用もこれから考えて行きたいと思っております。ご興味のある方はこちらにお問い合わせいただけますと、ご案内できます。

西荻シネマ準備室(左:中島さん、右:饗庭さん)
ことみせ

道路拡幅計画のこと

私たち「西荻のこと研究所」は、もともと、建築家、まちづくり、デザイン関係、不動産……西荻を案内している人もいますし、お店をしている人もいますが、いろんな職能の人が混ざって活動している任意団体です。
北銀座通りの道路拡幅で今の街並みが変わってしまうことや、民間での再開発の噂話が持ち上がっている西荻窪駅南側の三角地帯……木密の飲み屋さん街ですけれども、そこが、ほかのまちとあまり差別化できないビルになってしまったり、キラキラした建物が建ってしまったりすることに危機感を持っている者たちが、あらためて西荻らしさを考えていこうと集まったのがきっかけです。

道路拡幅計画は、正確には「都市計画道路補助132号線」というのですが、令和2年の初めに杉並区が事業認可申請を東京都に出して、駅の北側、善福寺川のちょっと南から、青梅街道までの部分が「第一期区間」として事業認可が下りました。調査や用地買収が今始まり、お店をたたむ方も現れている状況です。
その内容は、道路幅を11mから16mにしようということなのですが、歩道自体はそれほど変わらなくて、植栽帯ができ、電柱は地中化し、自転車専用レーンを設けて、真ん中に車線が往復で2車線できるという構成になるということです。

歩道は1m広がるんですが、緑地帯を設けますので通る幅自体はそれほど広がらないんじゃないかなというイメージですね。図などは区のホームページからダウンロードできますので、詳しいことはそちらを見ていただければと思います。これが着々と進んでいるということです。
そこで私たちは、道路の工事が始まる中で、西荻固有の魅力がどのように継承されているのかということに問題意識を持っています。西荻では小規模の商店が出店しやすいため、それがまちのブランディングにも寄与しているわけですが、その継承や発展について、再開発や拡幅工事をしてもちゃんと保てるのかというについても疑問視しています。
南口の再開発に関しては反対運動をしようということで集まったわけではありません。そういう運動が地主さんへの個人攻撃になりかねないので、中立性を意識したスタンスでの活動をしています。
市民の方向けの情報公開や情報共有などもしているのですが、さまざまな意見をいただきます。往来の多い自転車の通行問題や、バスの乗り降りについて現状だと歩道に直接降りられない箇所があるという現状がありまして、それを解決できているのかも気になっているところです。
来街者やファンが多いまちですので、住民だけでなくそういった方たちとの合意形成ができているのか、話し合いが十分出来ているのかというところも気になっているところです。
さらに進行中の懸念としては、工事中に空き地が増えてしまうというところで、長期の工事でまちの雰囲気が激変し、商店街が衰退していまうことを心配しています。また完成後に関しては、今の個性がうまく引き継がれるのかというところ、ニューノーマルな暮らしに合ったデザインかというところなどが気になっています。何か私たちにできることがないかと考えています。

「ニシオギ空想計画」と「西荻のこと研究所」

次に、今まで私たちがやってきたことを抜粋してご紹介します。2019年に「ニシオギ空想計画」というのを立ち上げまして、一年間、どうなったらこのまちがハッピーになるか、どんな魅力があるかということを絵にして頂き、それを公募するということをしました。のちほど写真を見ていただきますのでここはさらっとご説明させていただきます。
2020年からはメンバーをシャッフルしまして「西荻のこと研究所」という任意団体を立ち上げまして、駅前の民間の再開発の進みが遅くなったなと思ったので、どちらかというとサクサク進んでいる道路に注目して進めました。
メルマガで情報を公開したりとか、先進事例の見学に行っていたりとか、杉並区の担当者の方とどういう計画になっているのか、住民がどういう事をやりたい、やって欲しいと思っているか、話し合いの場が設けられるのか、というところの協議を始めています。
コロナが流行ってしまったので動きが遅くなってしまっているんですけれども、今年に関してはこの旧カントリーキルトマーケットのリノベーション事業をはじめまして、まちづくり会社を立ち上げ、また情報公開したりということをしつつ、今日めでたくオープンを迎えました。

ニシオギ空想計画Vol.1 2019.6
ニシオギ空想計画Vol.1 2019.6

「ニシオギ空想計画」はですね、こんな雰囲気でワイワイと展示をさせていただきまして、こんな楽しい時代があったなと思うんですけれども、こういう感じの作品を応募していただきました。

これはランドスケープデザイナーの方に応募していただいたもので、屋外もうまく使ってやっていきたいという案で、コロナ前の案ですがすごくいいですよね。

こちらはポケットパーク案です。工事中の空き地などを利用してポケットパークを作るといいのではないかという現実的な案も出していただきました。その中で、西荻のまちは座れる場所が少ないという問題に、かなりの方に気づいていただいたこともあったので、椅子を置いてみたところ、元々あったかのように人々が座ってくださるということが起きました。

そして、活動に共感していただいた駅前の不動産屋さんが店舗を貸してくださったので、そこで展示をさせていただきました。
この活動のまとめとしてニシオギ空想新聞というものをメンバーが頑張って作りまして、実際に該当する箇所でお店を営む方にヒアリングしたりなどもしました。

そのあとの、西荻のこと研究所としましては、メールマガジンを発行しましたりとか、アンケートをとって、実際の道路に関係する人たちに聞いたところ、まあ応じる応じないということはまだ決めかねている方が多かったんですけれども、情報が少ないので何か情報を知りたいというご意見が多かったので、オープンハウスの実施などに活かしました。

こちらはお店をされている方の結果で、お店をされている方は西荻地域で商売を継続したいということを多くお考えで、補償額の金額というよりは条件の良い店舗でお客様に来ていただきやすい場所に移転できるのかということが気になっていました。
相談できる相手がいないということでサポートを受けられるのか不安を感じていらっしゃる方もいらっしゃいました。あとは、個性のあるお店で構成されている魅力的なまちというものが、これからも継承されていくことを望んでいらっしゃいます。
また、賃貸の住宅に住んでいる方に関しては、出て行くしかない場合には出て行くしかないのですが、不安を感じているということがわかりました。

あとは楽しいことで、これはコロナも流行り始めだからみんなマスクしてますが、下北沢のボーナストラックに見学に行ってみました。

メンバーの中のお店をされている方がコロナの影響で業態変更されるということで、キッチンカーをつくるサポートをさせて頂いたり、道路計画にかかるところに東京ガスの建物がありましたがそこが撤退するということで新しくスーパーができる計画を聞きつけて、道づくりと一緒にやるとこんな感じがいいんじゃないですか?とご提案したりしました。

あとはまち歩きをやったりだとか、オープンハウスをしてみたりして、区の方にオープンハウスの経験を経て、お願いするための資料を作りました。

この時は自転車問題に皆さんフォーカスしていただいて、自転車が車道を通っても歩道を通っても危ないという現状を、どうにかしたいということをたくさん話しました。
その上で、とにかく道を変えないでほしいという意見もすごく多かったんですけれども、何も変えないということもなかなか難しいのかなと思いますので、どうやったらみんなで考えているというふうにいけるかという事を想定して、行政がそれぞれの分野ごとに、道づくりと、駅前のまちづくりを進めていくという今のやり方ではなくて、どうにかして市民と行政が協働で道づくり、まちづくりをしていくパターンができませんか?というお話をさせていただきました。

実際に工事が始まった場合の、道路活用についても色々考えられるんじゃないですかという提案をしてみたり、道路幅の広げ方、総幅員が変わらないのは計画上、仕方がないことという雰囲気も感じていますので、そうすると今の計画ではなくてこちらのエリア2というところで、歩行者優先のまち歩きエリアがもし実現できるとすると、歩道だけ広げて歩道をリッチにすることで、歩きやすいまちにもなるし自転車との住み分けもできるのではないかということで、このようなご提案をさせていただきました。

こちらが広げ方を上から見た図ですけれども、例えば、立ち退きたくないという強い意志を表明されている方々もいらっしゃるので、もし、立ち退かなかった場合でも、意外とこうした道になって、車が速度を出さないような道ができるのではないかというシミュレーションですね。案外できるのではないか?という絵になりました。

あとはグリーンインフラの投入ですとか、クランクしている今の計画に対して、ちゃんと検討がなされたのかという問題提起をさせて頂きました。
あと、東京大学の学生さんに南口の再開発を課題にして、考えていただいたりだとか、あとは西荻の北銀座通りの昔の写真を集めて、アーカイブするプロジェクトをやってみたりとか、勝手に認定するポケットパークなどの活動も続けております。

***

本日、オープンをいたしましたが、これからの悩みを先生方にぜひご相談させていただきたいと思っているんですけれども、第1期工事エリアについての考え方について、もう用地買収が始まっている現状がある中で、これから意見交換とかそういうものが必要ですよねと言い続けていくのに、ソフト面・ハード面のアプローチでどのようなことができるのか、また、用地買収が進んで空き地ができた場合のプレイスメイキングのような工夫についての可能性について伺いたいと思っています。
あとは駅前のまちづくりについてです。まだ事業認可が下りていない第2期工事のエリアについては、まだ話し合いができそうだと思うのですが、そのアプローチの仕方ですとか、どう動いたらいいかということを伺いたいと思います。
どのような形態をとるべきか、私たちは任意団体のまちづくり団体で、まちづくり会社も起こしましたが、その進め方について具体的にアドバイス頂けたらと思います。
あとはですね、ディスカッションの時にまたご紹介しようかと思うんですが、実際にこの道が広がっていった場合に、タワマンが建ったりとか駅前の様相が激変するのは、先生たちの経験上いつ頃になるのかということ、まちづくり団体、まちづくり会社として私たちのこれまでの取り組みは正しかったのか、あるとしたらもっと理想的な動き方があったら具体的に知りたいです。また、区との話し合いの場を再設定できそうな場合に、どういったプレイヤーを巻き込んでいくと効果的かということも、この後で伺いたいと考えております。
長くなりましたが、これで説明を終わらせていただきます。

(第2回に続く)