2020年5月25日

西荻のこと研究所 メールマガジン 01号 (2020.05.20)

投稿者: nishiogiorg

北銀座通りの拡幅、
4月7日に東京都より事業認可おりる

令和2年4月7日、都市計画道路の優先整備路線となっていた都市計画道路補助132号線(北銀座通り)のうち、北側の青梅街道から関根橋を越えたあたりまでの「第1期」区間の事業認可を杉並区が取得。この日付で「事業開始」となります。事業期間は約10年(令和12年3月31日まで)。

区役所5F都市整備部管理課で、事業認可図書の縦覧がしたいと窓口で伝えると、詳細図面などが見られます(予約不要)。図面によると今回の認可範囲は、西側歩道は洋服店「いけもと」まで、東側はハンバーガー店「スターダスト」の手前までとなります。

事業の内容はざっくり以下の4つ。
1)道路の拡幅(11m→16m)と街路整備
2)それに伴う調査と用地折衝
3)電線の地中化
4)関根橋の架替え

この認可をもって、該当の土地については、建築および整地には杉並区長の許可が必要になるのと、土地建物の有償譲渡には届出が必要になります。

東京新聞4月22日記事によると事業費は85億円。

参考:東京新聞記事
https://www.tokyo-np.co.jp/article/tokyo/list/202004/CK2020042202000111.html

区のホームページによると、令和2年5月に「用地補償に関する資料送付」、同6月より「物件調査」開始となっています。

杉並区ホームページ該当記事「都市計画道路補助132号線」
https://www.city.suginami.tokyo.jp/guide/machi/toshikeikaku/1059023.html

ただし、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点からすると、住民説明会やオープンハウスの開催また、調査のための職員派遣なども「人と人との接触を8割削減する」という基本方針にはそぐわないところ。
また、東京都は5月5日付「新型コロナウイルス感染症の状況を踏まえた当面の都政の運営について(依命通達)」にて、都の事業としては、「都民の生命・財産への直接の関連性が低く、直ちに取り組む優先度が低いと考えられる事業のうち、未着手、未発注、一時停止が可能な事業は、原則延期又は中止」するとし、その中に区画整理などの「都市開発の推進等に関する事業」を具体例として挙げています。こういった動きを受けて、杉並区としてどう対応していくのか、次回メールマガジンまでには聞いておこうと思っています。

参考:5月5日の依命通達
https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/007/819/2020050506.pdf


新型コロナウイルス感染症対策
(広報すぎなみ5月15日号より)

杉並区の生活・営業支援のあれやこれや、広報すぎなみの5月15日号がわかりやすいので参照することをおすすめします。
https://www.city.suginami.tokyo.jp/koho/pdf/r02/1059951.html

・気になる1人につき10万円の特別定額給付金は、杉並区では基本的に郵送申請を推奨しています。
マイナンバーカードによるオンライン申請は、暗証番号の再設定申請や新規カード申請に窓口が混みあう事態となり、郵送申請をうながすお知らせがHPに掲載されました。申請のための書類は5月18日から順次発送されるとのこと。

・『生活支援』
新型コロナウイルスに感染したとき杉並区健康保険に加入していれば支給される「傷病手当金」、休業や失業で困ったときに「緊急小口資金・総合支援資金の特例貸付」「住宅確保給付金」「保険料や納税の猶予」なども、そもそも知らなければ利用できないので、自分や家族はもちろんですが、まわりに困っている人がいたら教えてあげたいところ。

・『営業支援』
「東京都感染拡大防止協力金」「持続化給付金」「雇用調整助成金」など、営業の継続にかかわる制度の窓口も紹介されています。

・区の施設や事業の休止・縮小は5月31日まで。

・食中毒にご注意を
広報の記事はご家庭での予防ポイントですが、あらたにテイクアウトをはじめた飲食店もこれからの季節は注意が必要。お店の外にはサンプルか写真を置いて、注文を受けてから提供するなどの工夫をしたいですね。客の立場としても、買ったら早く食べるなどをこころがけたいところです。

参考URL:
https://www.city.suginami.tokyo.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/058/937/korona6_2.pdf

ほかにも急病診療の案内など重要なお知らせや記事が満載の広報すぎなみですが、「おっ」と目をひいたのが住民投票の請求に必要な署名数の記事。この制度は、区政の重要事項について、広く区民の意見を直接聴く必要があるときに、区議会の議決を経て実施することができるもので、請求資格者名簿に登録された18歳以上(永住外国人を含む)の区民の50分の1以上の署名で住民投票を請求することができます。5月1日現在で9570人。ちなみにこの制度、杉並区ではまだ1度も実施されたことはありません。

やっぱり紙面で見る方がわかりやすい、という方は、西荻窪駅改札前のラックや、コンビニエンスストア、新聞販売所などで配布中です。

全戸配布されない「広報すぎなみ」ですが、区民生活に関わる重要なお知らせが掲載されていますので、見かけたらぜひピックアップをおすすめします。
たとえば、広く西荻窪エリア住民にも影響のある道路拡幅事業のオープンハウス(パネル展示による事業の説明会)の情報も掲載されるので注目しておきましょう。


西荻未来の羅針盤 第1回
ニシオギ空想計画とウォーカブルシティ

「ニシオギ空想計画」に寄せられた案より

数十年間ささやかれていた北銀座通りの道路拡張計画ですが、突如今年申請され事業認可されました。それに伴い用地買収、建物の取壊し、橋の架替え、電柱の地中化が始まるそうです。

西荻のまちが大きく変わっていく。変化に対してはそれぞれ不安や疑問、いろんな思いがあるのではないでしょうか。

「小さな個人店が並ぶ素敵なまち」が壊されないような良い進化を願うところです。同じ願いを持つみなさん、西荻の未来は意見や提案で変わるかもしれません。どうぞご意見お聞かせください。西荻のこと研究所は、そんな意見や提案をまとめて発信していきたいと思っています。

未来の西荻はどんな街になってほしいですか?という問いかけに、沢山のアイデアが集まったニシオギ空想計画。みなさんが思い描いた未来の西荻では、人々が憩いの時間を過ごし、街には西荻らしい賑わいがある。どこにも共通していることは人々が居心地よく楽しく過ごしていることでした。

これは一例ですが、国土交通省が提案する「ウォーカブルシティ」という取り組みがあります。コンセプトは「居心地のよい・歩きたくなるまち」。車中心ではなく、ひと中心の街づくりを推進し、人々が集い、憩うことのできる街路づくりをしていきましょう、というもの。

実は杉並区もこの取り組みに賛同しており、推進都市として国土交通省のHPに公表されています。ただ、推進都市である各自治体も、街路空間の再構築/利活用に関しての将来的なビジョンや、具体的な進め方は、まだまだ模索中というのが実情。西荻には活用できる良い素材がたくさんある気がします。

ウォーカブルシティ推進都市として、杉並区が今後どのような取り組みをしていくのかも気になるところです。新しい考え方を取り入れ、居心地よく楽しく過ごせる未来を作っていきたいですね。

他の街の取り組みを知ることも西荻の未来を考える素敵なヒントになるかもしれません。また、ウォーカブルシティについてもお伝えしていきたいと思います!

参考:日経BP「歩きたくなる」街路づくりのガイドラインを公表、国交省|新・公民連携最前線|PPPまちづくり
https://project.nikkeibp.co.jp/atclppp/040500023/040500002/?fbclid=IwAR3RDPxMeAC1iLG1NuzA4zsrzuVF9YALsLskNsP7697KFEL1fHfmKC6n_g4


用地買収の補償について
(テナント編)

写真は用地買収が始まっている武蔵野市内の女子大通り

都市計画道路のために土地を提供する場合、行政より補償金が出ます。これは土地の所有者だけでなく、物件を借りて営業しているテナントについても同様です。今回は、テナントの皆様に、どのような補償が出るのかを具体的に解説します。
1 営業補償
・移転に伴い一時的に休業した場合の収益減、固定的経費、従業員に対する休業手当相当額
・営業再開後、一時的に得意先が減った場合の損失額
・廃業する場合の転業に必要な収益相当額
2 借家人補償
・従来と同程度の物件を借りるための費用(礼金など)
3 移転雑費補償
・移転先を選ぶための費用や法令上の手続きのための費用
4 動産移転補償
・家財道具や商品などを運搬するための費用
5 工作物移転補償
・看板やクーラーなど、テナントが保有するものの移転費用

参考
杉並区HP「用地補償について」
https://www.city.suginami.tokyo.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/059/023/hosyo1.pdf
公共用地補償研究会編著『公共用地の取得に伴う損失補償基準要項の解説』
大成出版社,2013

以上のように原則は決まっていますが、補償に関しては個別性が高く、一概には言い切れない部分もあります。近日中に行政側から物件調査の依頼や補償についての説明など、テナントの皆様にも連絡があると思います。その際には、当団体と情報を共有していただけるとありがたいです。
補償については、法律や行政の制度が関わってくるため、なかなかわかりにくいと思います。不安なこと、疑問に思うことなどあれば、メールでご連絡ください。こちらで調べたり専門家に意見を聴いて、メルマガなどでお答えしていきます。


ただいまアンケート実施中。

西荻のこと研究所では、補助132号線沿道の地権者、店舗を借りている人、住居を借りている人それぞれに、以下のようなアンケートを実施しています。アンケートの結果は6月17日のメールマガジンにて紹介する予定です。以下は店舗賃借人様あてに作成したアンケートより、お聞きした内容を抜粋。

北銀座通りの拡幅計画
- 東京都市計画道路事業幹線街路 補助線街路第132号線 -
アンケート調査ご協力のお願い


コロナウイルス感染拡大の影響で不安な日々をお過ごしのことと思います。そんな中突然のお願いを差し上げる失礼をお許し下さい。
この度、「未来のニシオギを考えよう」をコンセプトに「西荻のこと研究所」をまちづくり団体として発足いたしました。団体の目的は「行政まかせにしない、住民主体のまちづくり」。まちの主役である住民の民意が十分に行政の計画に反映され、これからの時代に求められるまちづくりがここ西荻窪で実現できるように活動してまいります。
さて、すでにご存知かと思われますが、さる4月7日に、東京都より都市計画道路補助132号線(北銀座通り)拡幅の事業認可が下りました。今後は所轄である杉並区が事業を進めていきます。以後は用地買収、建物の取り壊し、橋の架替え、電柱の地中化、道路工事がはじまるのです。この計画についてはこれからの西荻のまちに沿わない内容と考えられる点も多く、西荻のこと研究所ではまちのみなさんのご意見を広く伺いながら、杉並区等に対して新たな提案をしていこうと考えております。また、地権者の皆様におかれましては、今後の動きにご不明・ご不安な点も多いかと思われます。
つきましては、北銀座通の拡幅計画に対するご意向を伺いたく、西荻北銀座商友会のご協力を得て、地権者の皆様向けにアンケート調査を実施することにいたしました。ご多忙中、お手数をおかけいたしますが、より良い西荻の未来のためにどうかご協力くださいますようお願いいたします。また、当団体は道路拡幅に賛成・反対のどちらのご意見にもかかわらず、当事者様のご意向を尊重しサポートする考えです。どうぞ忌憚のないご意見をお聞かせください。

・このアンケートはこの計画に係るみなさまのご意向把握を目的としており、結果は統計的に処理されます。特定の個人が識別できる情報として、公表されることはありません。
・記載していただいた個人情報は、この計画に係るみなさまのご意向把握と今後のみなさまへの情報提供以外には使用しません。ご本人の同意がなければ第三者に個人情報を提供することもございません。取得した個人情報は管理責任者を定め、紛失や漏洩などが発生しないよう積極的な安全対策を実施いたします。
北銀座通りの拡幅計画について
- 東京都市計画道路事業幹線街路 補助線街路第132号線-

 
【用地買収についてお伺いいたします】
問1 あなたは杉並区の道路拡幅による用地買収に伴い、店舗の所有者から立ち退きを求められた場合、どうお考えですか。(ひとつに○)
1)応じる方向で検討する 2)応じない方向で検討する 3)まだわからない
 
問2 問1で 1) 応じる方向で検討する とご回答した方にお伺いします。
立ち退きに応じた後、いつまで商売しますか。(ひとつに○)
1)ぎりぎりまで商売する 2)なるべくすぐ出たい 3)考えていない
 
問3 問1で 1)応じる方向で検討する とご回答した方にお伺いします。
立ち退きに応じた後、どうしたいとお考えですか。(ひとつに○)
1)別の場所(西荻地域)で商売を続ける 2)別の場所(他の地域)で商売を続ける 3)廃業する 4)その他(  )※ご自由にお書き下さい。
 
問4 問1で 2)応じない方向で検討する とご回答した方にお伺いします。
立ち退きに応じるための条件とは何だとお考えですか。(いくつでも○)
1)補償額次第で応じる 2)他に条件の良い店舗の紹介があれば応じる 3)その他(  )※ご自由にお書き下さい。
 
問5-1 道路拡幅にかかる場所で、お店などを借りている方でも、立ち退く際に補償される権利がありますが、その内容などをご存じですか。(ひとつに○)
1)理解している 2)理解していない 3)よくわからない
 
問5-2 それらについて相談する相手はいますか。(ひとつに○)
1)専門家に相談できる 2)専門家ではないが相談できる 3)相談できる相手がいない
 
問5-3 お店などを立ち退く際に補償される権利を知るうえで、どのようなサポートがあると良いですか。
(いくつでも○)
1)法的な相談窓口 2)専門家による個別相談会 3)交渉サポート 4)情報提供 5)その他(  )※ご自由にお書き下さい。
 
【これからの西荻のまちについて・不安な点などについてお伺いいたします】
問6 
これからの西荻のまちはどうなってほしいとお考えですか。(ご自由にお書き下さい)
 
問7 現在、不安に思われていることはありますか。(ご自由にお書き下さい)
 
【 「西荻のこと研究所」 についてお伺いいたします】
問8 
北銀座通りの拡幅計画について 「西荻のこと研究所」に期待することは何ですか。
(いくつでも〇)
1)新しい提案 2)情報収集と公開・提供 3)杉並区役所との橋渡し 4)その他(  )※ご自由にお書き下さい。
 
問9 「西荻のこと研究所」では、これからの西荻のより良いまちづくりにむけて、勉強会などを開催したいと考えています。どのようなことに興味がありますか。(いくつでも〇)
1)立ち退き補償 2)拡幅工事中の営業 3)他の地域の道路事例 4)公共用地活用 5)防災(防災生活道路整備・地区防災不燃化促進事業など) 
6)まちなかでのイベント開催方法  7)その他(  )※ご自由にお書き下さい。

オンラインイベント開催
5月29日19時〜
「解説 ニシオギ空想新聞」

今年の1月に発行された「ニシオギ空想新聞」を解説していくオンラインイベントを開催します。

5月29日(金)19時〜20時 ※zoomで行います。

参加希望の方はinfo@nishiogi.orgへ、お名前と、zoomの利用が可能な端末につながるメールアドレスをお知らせください。折返し、ミーティングルームのURLをお知らせします。
(先着順にて締め切ります)

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次号 6月3日(水) 予告

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西荻未来の羅針盤 第2回
ほか

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