2025年6月22日

西荻のこと研究所 メールマガジン92号 (2025.3.7)

投稿者: nishiogiorg

第3回 (仮称)デザイン会議
報告&次年度以降への提言
(前号のつづき)

(冒頭文は前回と同じです)
2024年2月16日、西荻地域区民センターで、第3回(仮称)デザイン会議@西荻地域が行われた。冒頭、前回会議のふりかえりや、合間に行われた運営会議の報告があり、そのあと8グループに分かれてのグループ討議が行われた。

グループ討議の議題は主に2つ。
「早期に対応すべき課題の解決策のアイデア」
「来年度のデザイン会議で取り組みたいこと」

前回第2回の会議で設定された5つのテーマ、①交通・道路・街並み ②自然環境 ③文化・コミュニティ ④商店・商店街 ⑤防災・治安 は話し合いの上ではいったん設けず、各グループで自由な話し合いが行われた。
最後に、各グループのファシリテーターが内容を要約して発表した。

以下、各グループに入った西荻のこと研究所メンバーが内容を報告しつつ、今年度の3回で見えてきたデザイン会議の課題や、会議への評価、今後への提言などを書いてみました。

(奥秋圭)

グループ3

デザイン会議に参加していて、毎回、いいな〜と思うことは、普段の生活の中では、なかなかお話しできないような多様な年齢や考えの方と、同じ問題について話し合えること。
まるで反対の意見や、突飛なアイデアも、ゆっくり話していると、あ、それもいいねと同意しあう瞬間が何度もあります。忙しい世代の方こそ、このゆったりとした雰囲気のなかで、西荻のまちのこと語り合えたらいいのにと、つくづく思います。

私は、西荻に住み始めて10数年経ちました。西荻の街の居心地の良さを感じながらも、日々の生活での不便なところ、改善したいところも見えてきたり。時の流れで変わってゆく街に一喜一憂しながら、もう少しまちづくりに関わる事はできないかと、6年前に始まった「西荻窪駅周辺まちづくり懇談会」に参加しました。

その頃、西荻窪駅を通る補助132号線の計画を知り、せっかく新しく道路を作るのであれば、より良い、より使いやすい快適な道になってほしい、そして、西荻の心地よさを作っているお馴染みの個人商店が、一気に無くなってしまうようなやり方ではない方法がないかを考え始めて、4年前から、西荻のことを考えるまちづくり団体「西荻のこと研究所」に参加しました。この団体では、調査結果や、意見、提案などをメルマガで発信したり、集めた情報を発表する場を設けたり、区の担当者の方々をお呼びして会合を開いたりしています。

そのようななか、区長に立候補した岸本さんが、僅差で現職を破り、新区長となりました。選挙前の西荻窪駅前で行われた演説会では、候補者が一方的に喋り続けるいつもの見慣れた演説とは違い、岸本さんを囲んで地面に座り込んだ人達の発言が途絶えず、自分の気持ちや考えが言葉となって溢れ出る若い人たちがいました。

この人達の口を開かせたのは、岸本さんのチカラだと思います。女性であること、海外での経験、区政のやり方に不慣れだからこその、市民の意見を聞くチカラ。
他の地域や成功事例の真似ではない、西荻らしい話し合いの場の作り方、まちのあり方を、参加者みなで考える新しい市民自治の方法。ちまたで流れる政治ニュースや議員の派閥争いにうんざりの人達に、新しい可能性を見せてくれました。

区長に就任して数年経ち、新しい形の話し合いの場を、という市民の意見によってスタートしたデザイン会議。
会議の継続に向けて、真剣に取り組む杉並区の職員の方々の存在も。
そして、この会議に参加している方々の、ヒトの意見を聞いて自分の考えをアップデートできるチカラも素晴らしい!
自分の生活やまちを、自分達の考えで変えていける可能性とワクワクする期待!
なるべく、たくさんの人達に関わってほしいと思います。

この話し合いの場を、いかに有意義で楽しく、参加しやすく、継続できるかが、これからの課題でしょうか。

(石田摩美子)

グループ7

参加者は40代~70代ぐらいの方が7名、そのうち運営会議メンバーは5名でした。以下、印象に残ったことです。

■話し合いの前提条件
最初に、
① 道路拡幅ありきで話し合いをするのはおかしいのでは
② 運営会議でそういう前提条件を決めたのか
という質問があったため、①については、今までのデザイン会議で出た意見をまとめたシートに「道路拡幅の目的に疑問がある」という発言もきちんと載っており、今日はそれぞれ何が喫緊に取り組むべき課題なのかを話す場であること、②については、運営会議は、デザイン会議でより良い議論ができるように取り上げる議題や話し合い方について検討する場なので、内容を決める場ではなく、現在27名の在住・在勤者がメンバーとなっていること、を確認するところから始まりました。
毎回、デザイン会議には様々な方が参加され、初めての方もいるので、前提となることなどは、参加者同士で伝え合うことが大切であることを感じました。その点、デザイン会議が3回目であること、運営会議メンバーがいることで、少しずつ議論の場の積み重ねが良い方向に向いていると感じました。

■話し合いの内容と今後につなげていくこと
それぞれのグループで進め方の前提条件が微妙に違った感じで、我々のグループでは、大切に思っていることや今後取り組みたいことが、参加者の興味のあることとして以下のような意見が出されました。

・みどりのボランティアを通じて人が知り合うことが、防災に役立っていくので、そういった既存の仕組みを活用して人がつながることが大切。
・西荻には大きなイベントがなくなってしまったので、あらたにつくっていきたい。若い人がやったイベント(西荻ラバーズフェス)なども良かった。
・区の推奨しているグリーンインフラを個々人で進めていくための活動を。
・善福寺川上流域の調整池工事を進めることへの疑問、内水氾濫は収まらない問題
・補助132号線の道路拡幅は、事業認可が下りた地域は買収が進んで、1階がマンションになっているような建替えも増えている。買収した道路用地を暫定活用して、商店街の賑わいを保つ工夫をしたい。更に、事業認可していない先の沿道や駅前もあるので、どのようなまちにしていきたいのか話し合いが必要。
・西荻の小さな店舗がまちの魅力をつくっているのに、開発が進んで賃料が高くなってしまったら選ばれなくなることをもっと真剣に考えるべき。

プログラムに組まれていた「時期的に優先度が高いことは何か」「来年度のデザイン会議ではどんなことをやっていくべきか」という話し合いには至らなかった印象ですが、区が取り組んできている気候区民会議やグリーンインフラなどの区民参加の話し合いや勉強会に参加した方がそのことについて語って下さるなど、それぞれの取り組み(テーマ)がデザイン会議(地域)でつながっていく様なイメージを持つことができました。
一方、話し合いや意見交換から感じたのは、自分の生活圏から遠い場所で起こっていることは現状を把握しにくいということでした。そういった意味で、住民間でかみ合った議論ができるよう、特に現在、具体的に起こっているまちの変化を知るための、まち歩きや社会実験などのアクションはかかせないと思いました。

■今後のデザイン会議に向けて
今回のデザイン会議は、運営会議で議論をして話し合い方を決めたとおりに、テーマでグループを分けるのではなく、いくつものテーマを横断的に考えられるような話し合い方にした結果、8グループそれぞれの発表を聞き、大切なことは大体共有できているという自信を少し持てた気がします。

全体のファシリテーターである篠田さんがホワイトボードに8G分の発表を書き留めてくださった。

今後のデザイン会議に向けて、みなさん、様々な活動を普段からしている様なので、そういったことも情報交換・情報交流し、もっともっとお互いがどんなことを考えているかを知れる機会をつくり、意見や考えはいろいろ違って当たり前、それでこそ、共にまちのことを深く考えることができるというステージに、西荻のまちがなっていけると良いなと思います。その上で、デザイン会議が西荻まちづくりのビジョンを共有していく場として機能するようにみんなで育てていけると良いですね。

(狩野三枝)

グループ8

回を重ねるごとに「対話の場」が育まれていることを実感しています。多くの方の取り組みの結実なのだなぁと思うと感慨深いものがあります。

課題点や要望は大きくは出揃ったということが、この三回を通して共有されてきたように思います。今後、「対話による区政の実現」「区民参画の仕組みづくり」を具体化していく段階として、次年度より部会の設定を区側から提案されています。

これまでに無い取り組みという事もあり、一回一回が手探りで「どうしたらいいのか?どこへ向かったらいいのか?」と悩む場面が多かった様に思います。「初めての試みで、だれも答えを持ち合わせていない」という事が会を重ねることで、だんだんと明らかになってきたのだと思います。「なので、みんなで考えていろいろ試していきましょう」ということを共有していけるといいのだと思います。

(石井祐樹)

3月16日、
ニシオギ大調査 実施します!

「西荻のこと研究所」で実施している「ニシオギ大調査」、来たる3月16日(日)に「合同調査」を行います!

みんなでわいわいと話しながら、ニシオギ大調査してみませんか。

集合時間 2025年3月16日 日曜日
集合場所 西荻のことカフェ


スタート地点から歩きながら、チェックポイントにてスマホで入力フォーム(QRコード)にアクセス。それを繰り返すだけの簡単調査です。
コースガイドは「西荻のことカフェ」などにありますので探してみてください。

こちらからPDFのダウンロードも可能です。


NEW!! 読みやすい杉並区議会議事録
内容をアップデートしました

杉並区議会・委員会の議事録より、「都市計画道路補助132号線」に関するやり取りの部分だけを抜粋した、読みやすい縦書きPDFを以前から公開しておりましたが、このたびバージョンアップしました。

収録の期間がぐぐっと増えて、

平成30年9月〜令和4年5月

となります。

令和4年5月を区切りとしているのは、令和4年6月19日に杉並区長選挙があり、ここで区長が交代しているためです。区長交代後の議事録も現在作業中。
どんなやりとりが行われてきたのか、ぜひチェックを。

以下よりダウンロードしてください。

https://nishiogi.org/wp-content/uploads/2024/09/240922gijiroku132_01.pdf


大好評発売中!!!
「ニシオギ空想新聞Vol.2」

(全16ページ/フルカラー)
発行日 2023年3月15日
販売価格 330円(税込)

西荻の道路や開発のことを扱った「ニシオギ空想新聞2」。ぜひ多くの方に読んでいただいて、西荻の人自身で西荻のことを考える機運となればと願っています。

販売店(5/31現在・順不同)
西荻のことカフェ/信愛書店/古書音羽館/村田商會/カフェインザラフ/暮らしのいろいろ ていねいに、/三つ枝商店/インド料理ガネーシャガル/カフェカワセミピプレット/今野書店/Loupe/Dawner/やきとり戎/アトリエハコ/サロン+アトリエポルカ/Title/BREWBOOKS/ランチハウス/数寄和


目次:
◯抄録 ことビルオープニングトーク 「西荻のこと、まちのこと、これからのこと」     饗庭伸・中島直人
◯報告 ニシオギ大調査     コース紹介・参加方法・分析座談会
◯分析 さとことブレスト
◯インタビュー 都市計画道路担当課長・星野剛志さん
◯4つの疑問と6つの提案
◯インタビュー 西荻の人に聞きました2
やきとり戎/JR西荻窪駅/関東バス株式会社     信愛書店/あなたの公差転/杉並区長/中野書店     区議会議員(1)/区議会議員(2)
◯ニシオギ空想新聞図書室


お問い合わせメール
info@nishiogi.org

なお、3年前の2020年1月に西荻案内所から発売されたVol.1はこちらから無料でダウンロードできます。そちらも合わせてぜひチェックを。


西荻シネマ準備室の貸出について

西荻シネマ準備室は、西荻窪からなくなって久しい「映画館」の復活を目標に、その実現に向けての調査研究・準備をするために設けられたスペースです!……が、ふだんは多目的スペースとして以下のようなご利用が可能です。

展示会○販売会○新製品発表会○ワークショップ会場○トークイベント会場○ミーティング・会議○撮影スタジオ○習い事○読書会○学習会○お教室○記者会見○オンライン配信会場 などなど

1時間2,200円 または1日22,000円(9-21時)


※2025年4月から料金改定
 土日祝の料金が1時間2750円、1日27500円(いずれも税込)となります。

ご利用のお問い合わせ kabu@nishiogi.org

西荻のこと研究所
メルマガアンケート

メルマガ読者の皆様からの叱咤激励をいただきたく、アンケートを作ってみました。何度でも構いませんので、新しいご意見を思いつきましたら、ぜひ投稿してください
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西荻窪の未来を考える会議 議事録

2020年7月17日と11月20日、西荻北銀座商友会の樋代会長と、杉並区の道路と都市計画と商店街関係部署(都市整備部土木計画課・市街地整備課・産業振興センター)の担当者と、西荻のこと研究所メンバーで会合を持ちました。その際の議事録をHPにアップしました。
この「西荻窪の未来を考える会議」は、将来的には西荻窪エリアに住む住民にもっと開かれたまちづくり会合の場を実現するべく、その準備として行っています。

西荻窪の未来を考える会議第1回

西荻窪の未来を考える会議第2回


研究所員をいっしょにやりませんか?
参加希望の方、まずはメールをお送りください。
info@nishiogi.org


西荻のこと研究所 メールマガジン配信
次号 2025年3月20日(木) 予定


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