西荻のこと研究所 メールマガジン87号 (2024.11.30)
ハロウィンイベントと社会実験
都市計画道路の拡幅による空き地の利用方法
都市計画道路の拡幅事業対象地である私たちの商店街(西荻北銀座商友会)は、少しずつ店舗がなくなり、建て替え工事中の場所が増え、道路用地としての空地が目立つようになってきました。
今まであったお店がなくなり空地になってしまうと、灯火がひとつずつ消えていくようで寂しく思います。
10月の最終土曜日の午後、商店街ではハロウィンイベントが行われました。思い思いに仮装した子供たちが店先にやってきて小さなお菓子をもらう。お菓子を渡す店主たちも、魔女やドラキュラに扮し商店街がオバケたちでいっぱいになりました。
今年のハロウィンでは、都市計画道路拡幅事業で空地となった場所をイベント時に使用できるように申請を出しました。ダンボールでできたアコーディオンベンチを設置したり、消防団の方々に協力してもらい、防災についてのチラシや保存食のビスコを配布する場所にしました。
空地には賑わいができ、休憩に利用したりとイベントでの実験的な空地利用は大成功に終わりました。

今回イベントで社会実験を行うにあたり、屋台置けるかな? いや、ベンチとテーブルかな? いやいやハロウィンフォトスポットかな?……と夢と妄想を胸に【道路占用許可】を取り行った時のことをちょっとご報告。
色々思案した結果、まずは小さなベンチを置いてみようということになり、区役所に伺いました。窓口で申請をしたところ、な、なんとこの場所は近々にシェアサイクルポートとなる工事が計画されているというではありませんか!
そんな話聞いてない~!
ということで数日後、区の担当者が商店街関係者に計画の詳細を説明しに来てくれることになりました。
よくよく伺ってみると、区の担当部署では、公有地である空地をシェアサイクルポートにしてはどうかと、1年も前から国土交通省や警察署などと協議してようやく許可が降り、10月末から工事を予定していたそうなのです。商店街としてはこのとき初めて聞きました。
区によると、【杉並区自転車活用推進計画】に基づき、2030年までに都内に出来るだけ多くのシェアサイクルポートを作るべく、都でも区でも進められている計画であるとのこと。
拡幅事業で公有地となった場所はこういった事業にはもってこいの場所。1年ほどまえに空地となった場所にはすでにシェアサイクルポートがあるものの、シェアサイクルポートは身近な場所に幾つものスポットがあることで利便性が大きく向上し、将来的には自転車を所有せずともまちなかを移動するインフラとして機能していく…そんなビジョンのもと、シェアサイクルスポットを少しずつ増やしていこうという意向らしいのです。
ふむふむ、それはそれで理にかなっている話ではありますね。
しかし一方で、現状の商店街には駐輪場がなく、買い物や食事をするのに不便を感じるという声は多く聞かれ、商店街利用の足かせにもなっているのが実情。商店街や住民にとって必要なのはシェアサイクルポートではなく気軽に駐輪できる駐輪スペースなのでは?という商店街としての切実な事情を説明しました。
区としては、シェアサイクルポートになっても商店街のイベントなど必要な時には、他の用途に活用できるよう配慮したいとの考えがあるとのことでした。
ほどなく担当者の方々を見送り、私は少し肩を落とし、商店街の空地利用に描いていた夢をしぼませました。
計画が固まる前に、私たちがその計画を知ることはできたのでしょうか?
シェアサイクルポートが悪いと言ってるのでありませんが、シェアサイクルポートがベストの選択なのかということには疑問が残ります。
それこそ、デザイン会議(仮称)で検討するべきことだったのではないでしょうか……しかし実際には、計画はすでに準備されていたし、工事に取り掛かかってからようやく商店街が計画を知るという可能性もあったのです。
どうやら、上位計画で策定し進められるまちのプランと私たちが本当に必要だと思うことには多少のギャップがあることもあるようです。
だから、もう少し私たちの関心を言葉にしてみるのは大切なのかもしれないと思いました。
ちょっとした違和感や困りごと、日々の小さな気づきを拾い上げ、周りの人とシェアしたら、確実に私たちの暮らすまちの姿を変えるだろう。せっかくデザイン会議(仮称)という場ができたのだから、使わない手はないですよね。
その翌日のことです。担当の方から電話があり、今回設置計画があった場所のシェアサイクルポートは見直すとの連絡が入りました!
これまでの区として推進してきた計画であり、様々な経緯や調整があったにもかかわらず、商店街の意見に真摯に耳を傾けてくれたのです。
商店街というまちの資源を、より公共的なまちの資産に育てていく過程において、行政と協力しながら進めていけるとしたら理想的! その第一歩のような気がして嬉しかったです。
これからも道路拡幅事業で店舗がなくなり、空地が増えていく。
そんななかで、商店街としての魅力を維持するだけでなく、新しい試みにも取り組んで行きたいです。
さて、あなたなら道路となる暫定空地、どのように利用しますか?
(松岡美由起・松本弘子)
第2回(仮称)デザイン会議(西荻窪)
12月1日
西荻窪地域の「(仮称)デザイン会議」の第2回の日は以下の通り。
<西荻窪地域>
〇日時
令和6年12月1日(日曜日)午後1時から3時30分( 午後0時30分受付開始 )
〇場所
桃井第三小学校 体育館(西荻北2丁目10-7)
いつでもできます
ニシオギ大調査
「西荻のこと研究所」で実施している「ニシオギ大調査」は、当初はイベント開催でしたが、現在では恒常的にできるようになっています。コースはAコースとBコースの2種類。
スタート地点から歩きながら、チェックポイントにてスマホで入力フォームにアクセス。それを繰り返すだけの簡単調査です。
コースガイドは「西荻のことカフェ」はじめ、西荻のいろんなお店のチラシラックなどにありますので探してみてください。こちらからPDFのダウンロードも可能です。


NEW!! 読みやすい杉並区議会議事録
内容をアップデートしました
杉並区議会・委員会の議事録より、「都市計画道路補助132号線」に関するやり取りの部分だけを抜粋した、読みやすい縦書きPDFを以前から公開しておりましたが、このたびバージョンアップしました。
収録の期間がぐぐっと増えて、
平成30年9月〜令和4年5月
となります。
令和4年5月を区切りとしているのは、令和4年6月19日に杉並区長選挙があり、ここで区長が交代しているためです。区長交代後の議事録も現在作業中。
どんなやりとりが行われてきたのか、ぜひチェックを。
以下よりダウンロードしてください。
https://nishiogi.org/wp-content/uploads/2024/09/240922gijiroku132_01.pdf

大好評発売中!!!
「ニシオギ空想新聞Vol.2」
(全16ページ/フルカラー)
発行日 2023年3月15日
販売価格 330円(税込)
西荻の道路や開発のことを扱った「ニシオギ空想新聞2」。ぜひ多くの方に読んでいただいて、西荻の人自身で西荻のことを考える機運となればと願っています。
販売店(5/31現在・順不同)
西荻のことカフェ/信愛書店/古書音羽館/村田商會/カフェインザラフ/暮らしのいろいろ ていねいに、/三つ枝商店/インド料理ガネーシャガル/カフェカワセミピプレット/今野書店/Loupe/Dawner/やきとり戎/アトリエハコ/サロン+アトリエポルカ/Title/BREWBOOKS/ランチハウス/数寄和
目次:
◯抄録 ことビルオープニングトーク 「西荻のこと、まちのこと、これからのこと」 饗庭伸・中島直人
◯報告 ニシオギ大調査 コース紹介・参加方法・分析座談会
◯分析 さとことブレスト
◯インタビュー 都市計画道路担当課長・星野剛志さん
◯4つの疑問と6つの提案
◯インタビュー 西荻の人に聞きました2
やきとり戎/JR西荻窪駅/関東バス株式会社 信愛書店/あなたの公差転/杉並区長/中野書店 区議会議員(1)/区議会議員(2)
◯ニシオギ空想新聞図書室
お問い合わせメール
info@nishiogi.org
なお、3年前の2020年1月に西荻案内所から発売されたVol.1はこちらから無料でダウンロードできます。そちらも合わせてぜひチェックを。
西荻シネマ準備室の貸出について
西荻シネマ準備室は、西荻窪からなくなって久しい「映画館」の復活を目標に、その実現に向けての調査研究・準備をするために設けられたスペースです!……が、ふだんは多目的スペースとして以下のようなご利用が可能です。
展示会○販売会○新製品発表会○ワークショップ会場○トークイベント会場○ミーティング・会議○撮影スタジオ○習い事○読書会○学習会○お教室○記者会見○オンライン配信会場 などなど
1時間2,200円 または1日22,000円(9-21時)
ご利用のお問い合わせ kabu@nishiogi.org
西荻のこと研究所
メルマガアンケート
メルマガ読者の皆様からの叱咤激励をいただきたく、アンケートを作ってみました。何度でも構いませんので、新しいご意見を思いつきましたら、ぜひ投稿してください
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西荻窪の未来を考える会議 議事録
2020年7月17日と11月20日、西荻北銀座商友会の樋代会長と、杉並区の道路と都市計画と商店街関係部署(都市整備部土木計画課・市街地整備課・産業振興センター)の担当者と、西荻のこと研究所メンバーで会合を持ちました。その際の議事録をHPにアップしました。
この「西荻窪の未来を考える会議」は、将来的には西荻窪エリアに住む住民にもっと開かれたまちづくり会合の場を実現するべく、その準備として行っています。
西荻窪の未来を考える会議第1回
西荻窪の未来を考える会議第2回
研究所員をいっしょにやりませんか?
参加希望の方、まずはメールをお送りください。
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西荻のこと研究所 メールマガジン配信
次号 2024年12月12日(木) 予定
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