西荻のこと研究所 メールマガジン49号 (2022.7.8)
杉並区長選挙候補者インタビュー
ふりかえり
6月20日、次期杉並区長が岸本聡子さんに決まりました。187票差の大接戦でした。インタビューをさせていただいた時は、簡潔で聞きたいことに対して的確な回答をしてくださるなあと感じていました。7月11日に初登庁だそうです。これからの区政運営が楽しみです。区議会傍聴にも行ってみたいなと思います。
さて、たくさんの方にご覧いただいた区長候補インタビューですが、質問内容はすべて西荻のこと研究所で勉強させていただいたことをベースに作っています。今回はその質問がどのように出来上がったのか、徹底解説します!
まず、基本方針は「自分の当事者意識から区政に関わることを聞く」です。これは、和田靜香さんの「時給はいつも最低賃金、これって私のせいですか?国会議員に聞いてみた。(左右社)」を読んで、こんなことも政治が助けてくれるの!? とたくさんの驚きと学びを得たからです。このまちでの暮らしをもっと楽しみたい。もっと豊かに暮らしたい。そのために見た人が自分ごとにできる、実感を持って聞いてくれるインタビューを作ろうと思いました。
といえばいいように聞こえるのですが、賢い感じの政策比較みたいな質問は作れなかったので諦めたというのもあります。
①区長になったら重点的に進めていきたい施策は?
これは、それぞれの候補者が何を一番力を入れて行うのか、何を杉並区の課題だと考えているのかを知りたくて聞きました。
②私を杉並区に引き留めてみてください。
この質問は、アイドルの握手会文化から着想しました。「担当降りるかも…(ファン辞めちゃうかも…)」というと、推し(お気に入りのアイドル)が必死になって引き留めてくれるそうです。言われる側からすると腹立たしいかもしれませんが、候補者の必死な姿を引き出すには最適な質問ですね。どなたか地下アイドル界隈の方はぜひ推しの政治家を作ってみてほしいです。
お三方とも、回答に悩む姿が印象的でした。私の立場に寄り添って、「この人が求めていることは何だろう」とかこれからの人生を想像してくださるのが楽しかったです。私を通してこのインタビューを見る人たちへの態度や、一区民への誠実さが如実に表れていました。また、どんなところを杉並区の強みだと思っているのかを知ることもできました。
③これまで杉並区では原水爆禁止の運動をはじめとして、環境活動など市民運動が活発なイメージがあります。このような主体性のある区民性にどんなイメージを持っていますか?
これは子ども食堂を運営していること研メンバーに、杉並は主体性のある街って教えていただいたのをヒントに作りました。教えてくれた方が実際にこどもの居場所づくりを実践しているので、信憑性すごいですよね。
自分でも杉並郷土博物館を見に行ってみたり、いろいろな活動をされている方にこと研の活動で出会ったことで、杉並区民の主体性というものを実感していました。
そうした市民グループとの協働や市民を巻き込んだ区政運営をどう考えているのかを明らかにしたかった質問です。これからの区政の進め方に加えて、戦争や核兵器に対するそれぞれの価値観を垣間見ることもできました。
④子ども・子育てプラザが増え、乳幼児を受け入れる体制が整備されました。乳幼児が育っていった就学後なども安心して遊べる場所はこれから増えていきますか?
居場所を一つ失ったとも言える中高生や小学校高学年の子たちのことがずっと気になっていました。杉並だけでなく、多くの自治体の子育て支援は乳幼児期に集中しています。子育て支援の授業の際に、先生が一番大変なのは小学校入ってからなのよ、と解説していたのが強く記憶に残っていました。今回児童館を廃止したことがきちんと評価できるのも、きっと何年か後なので、今ではなくて何年か先をどう見据えているのかを聞きました。
⑤3月で廃止になった児童館でアルバイトをしていました。人手が足りなさそうに見えたのですが、子どもに関わる職の専門的な知識を持っている正規雇用の人を増やすのは難しいのですか?
4つ目の質問では、少し他人ごとっぽいなと思って、就職活動しないといけなくなってきた自分自身の状況と児童館でアルバイトしていた経験を重ね合わせて、児童館のことを聞いてみました。将来働くにあたって、正規雇用で労働に対して正当な賃金を払ってもらえるのか?という不安から作った質問でもあります。
私がアルバイトしていた児童館は、非正規で働く方の割合が多かったように見えました。この先生、正規の職員さんくらい児童館のこと知っていて、子供の扱いもすごく上手なのにパートなんだ。とか。同じ職場で同じように働いてるのに(実際どうかはわからないのですが)給料安いのかな、そうだとしたら辛いなと考えていました。それが自分の立場だったら絶対嫌だとも思っていました。
何より、保育に関して専門知識なく働いている自分が児童館の現場で本当に役に立たず辛かったことも背景にあります。ポンコツアルバイトにお金を払うくらいなら優秀な保育士さんが働きやすくなる環境を整備する方がよっぽど価値があるんじゃないか。
なので、子育て支援のなかでも施設整備ではなく働く人にきちんとお金を払うのか?ということを聞いてみました。
正規雇用を増やす難しさも知りましたが、同時に希望ある答えを聞くこともできたので自分自身の励みにもなりました。
⑥家賃が高くて生活が苦しいです。再開発が進むと家賃が高くなると聞いたのですが、西荻の家賃もこれから高くなりますか?
これは再開発のことを自分ごととして捉えた質問ですが、同時に街の賑わいのことにも繋がっています。お店を経営している方がこの街に残れるか、新しく素敵なお店がチャレンジできる街のままでいられるのか?ということです。これは、ことビルがオープンするにあたって、街にどんな価値があるべきなのかという話をしてたのを聞いていたので思いついた質問です。チェーン店しか入れなくなるようなまちではあってほしくないという思いから、この質問を作りました。
区としてどんな姿勢でまちの更新に向き合って行こうとしているのかが見えました。また、誰でもどんなまちにおいても暮らす権利があるということを再確認することができました。
⑦私は西荻のバス通りを駅までのルートとして頻繁に通行します。道路に関して土地の権利などがあるわけではなく、単に通行人という立場です。通行人としての意見を道路に反映してもらうにはどうしたらいいですか?
これはこと研の皆さんと一緒に慎重に文言を考えました。道路の拡幅について、強硬な反対のスタンスもしくは軽率な同意になりかねない不安がありました。
大学の友達を含めてまちの多くの人は、道路のことの当事者ではないと感じていることと思います。でも工事期間中、きっと渋滞が起きるだろうし、そうなったら自転車で通るのも大変かもしれません。歩行者だって道を塞がれたりします。そこを通る人、そこにつながる道を行く人は誰しも当事者になりうるとわたしは考えています。そのうえで、出来るだけ多くの意見をまちづくりに反映させていくために、通行人という視点を議論の俎上に上げる気があるのかどうか?ということを聞いた質問です。
道路のことになかなか踏み込んで関われないもどかしさと同時に、この解決の仕方によっては、西荻のまちをさらに良くするきっかけにもなるのではないかなとちょっと希望も感じました。
⑧選挙に関心のない若者に一言ください。
選管に行って、杉並区の投票率の低さに驚いたので追加した質問です。特に自分と同じ世代に投票を呼びかけてほしいと思って作りました。結果的には、政治家本人が、政治とどう向き合っているか、民主主義や選挙をどう捉えているかを浮き彫りにした質問になりました。
***
このインタビューを通して、政治が私の暮らしを左右しているということを肌で感じました。私なりに選挙活動をしてみたり、街頭演説を聞きに行くようになりました。
これまでは、選挙のたびに「誰がなっても」とか「選択肢ないよ…」とか思っていました。
でも今回自分で直接話を聞いてみて、選挙への向き合い方が大きく変わりました。
これから心がけたいと思ったのは
①選択肢がないときはまず自分のリサーチ不足を疑う
②誠実に対話ができる人かを見極める
③選挙後も責務を果たしているか注目する
④果たせていない人には次の選挙できちんとノーを突きつけること
です。
政治というと闇とお金とみたいな悪いイメージしか無かったのですが、ちゃんと聞くと明るめの未来を説得力のある証拠を揃えて実現可能だと話してくれる方もいることに今回気がつきました。
参議院選挙は、7月10日です。
これが終わると、3年間は国政選挙はないだろうと言われています。
みなさんも、いつもよりじっくり候補者選びをしてみてください。
(伊藤)
まちを歩きながら、西荻の良いところ・気になるところを発見しよう!という主旨の調査を行いました。
2022年6月4日(土)、5日(日)の両日(11:00〜18:00)開催した「ニシオギ大調査2022.6」の調査結果のまとめができあがりました!
まちを歩きながら、西荻の良いところ・気になるところを発見しよう!という主旨の調査でしたが、お天気にも恵まれ、人が賑わうまちに繰り出し、参加者のみなさんとともに以下の二つのルートを巡り調査しました。
結構本格的な報告書仕立ての調査結果のまとめを作成してしまい、ちょっとかた苦しいかもしれませんが、どうぞご覧下さい。そして、今後も引き続き調査をして行くつもりですので、どんどん参加して下さいね。
調査結果のまとめはこちらから
https://nishiogi.org/220605daichosa
(文・平野)
映画『夢みる小学校』上映会
8月7日(日)・8日(月)
映画『夢みる小学校』上映会
子どもが子どもらしく安心して過ごせる場所が確保される社会づくりのきっかけになればいいなと思い上映会を企画しました。
あなたはそのままのあなたでいい。
子どもの頃に自分の存在を100%受け入れてもらい、好奇心の赴くままに存分に経験したことは大人になってからも自分の人生を切り開いていく力になるだろうと思います。
一緒に映画をみてお話しませんか?
みなさんのご参加を心よりお待ちしています。
8月7日(日) 10時〜 14時〜
8月8日(月) 14時〜 19時〜
90分 全4回 各回30分程度のトーク付き
会場:西荻シネマ準備室(西荻南3-6-2 ことビル2F)
料金:1000円 小中学生500円
お申込み info@nishioginokoto.co.jp
お名前・人数・日時をお知らせください。
返信をもって予約完了といたします。
お支払いは当日会場にて。
『夢みる小学校』公式サイト
https://www.dreaming-school.com/
参議院議員選挙
参議院議員選挙は7月10日、午前7時から午後8時まで。
杉並区のHPにも特設のコーナーができています。
https://www.city.suginami.tokyo.jp/senkyo/r04sangi/index.html
西荻シネマ準備室の貸出について
西荻シネマ準備室は、西荻窪からなくなって久しい「映画館」の復活を目標に、その実現に向けての調査研究・準備をするために設けられたスペースです!……が、ふだんは多目的スペースとして以下のようなご利用が可能です。
展示会○販売会○新製品発表会○ワークショップ会場○トークイベント会場○ミーティング・会議○撮影スタジオ○習い事○読書会○学習会○お教室○記者会見○オンライン配信会場 などなど
1時間1,500円 または1日15,000円(9-21時)
(コロナ自粛期間特別料金です)
ご利用のお問い合わせ kabu@nishiogi.org
「ことみせ」の貸出について
ことビル1Fのカフェ「nof coffee」店内入ってすぐの小さな展示スペースが「ことみせ」です。販売も可能です。出展を検討している方は、「(株)西荻のこと」までお問合せください。
展示会○販売会○作品展○研究発表 などなど
平日2,000円 土日祝4,000円
(11‐18時/木休 ※nof coffeeのラストオーダー時間まで)
ご利用のお問い合わせ kabu@nishiogi.org
西荻シネマ準備室の予定
西荻のこと研究所
メルマガアンケート
メルマガ読者の皆様からの叱咤激励をいただきたく、アンケートを作ってみました。何度でも構いませんので、新しいご意見を思いつきましたら、ぜひ投稿してください
アンケートはこちらから
読みやすい杉並区議会議事録
平成30年9月から令和2年6月までの杉並区議会より、都市計画道路補助132号線に関するやり取りの部分だけを抜粋したPDFを作成しました。
どんなやりとりが行われているのか、ぜひチェックを。
読みやすいように縦書きでレイアウトしてみました。
以下よりダウンロードしてください。
https://nishiogi.org/wp-content/uploads/2020/08/gijiroku132.pdf
西荻窪の未来を考える会 議事録
2020年7月17日と11月20日、西荻北銀座商友会の樋代会長と、杉並区の道路と都市計画と商店街関係部署(都市整備部土木計画課・市街地整備課・産業振興センター)の担当者と、西荻のこと研究所メンバーで会合を持ちました。その際の議事録をHPにアップしました。
この「西荻窪の未来を考える会」は、将来的には西荻窪エリアに住む住民にもっと開かれたまちづくり会合の場を実現するべく、その準備として行っています。
西荻窪の未来を考える会議第1回
西荻窪の未来を考える会議第2回
研究所員をいっしょにやりませんか?
参加希望の方、まずはメールをお送りください。
info@nishiogi.org
西荻のこと研究所 メールマガジン配信
次号 2022年7月22日(金) 予定
西荻のこと研究所では、みなさんが気になっていることなどを取り上げてまいります。感想やご意見、取り上げてほしいことや疑問質問などお寄せください。また、「西荻のこと」についての投稿などもお待ちしています!
西荻のこと研究所 メールマガジン
ぜひご登録ください。
nishiogi.org/mm-touroku/