西荻のこと研究所 メールマガジン48号 (2022.6.16)
杉並区長選挙候補者インタビュー
杉並区長選に立候補を予定(取材時)している3名のかたにインタビューを実施しました。 質問項目は以下の通りです。 若い世代や、大学の友達もこの選挙に興味をもってくれたら、と思い企画しました。 見てくださる皆さんの候補者選びのお役にも立てれば幸いです。
まちのこと、子どものこと、働くこと、暮らすこと。
主にこの4つを、これから区長になるかもしれない人がどう考えているのかを聞いてきました。
政策の比較、みたいなちゃんとしたインタビューにしたかったのですが、難しかったので諦めて、西荻で1年半ほど暮らした自分のもやもやを相談するつもりで行ってきました。
三名の候補予定者(取材時)に同じ質問をしました。
一問につき3分程度を目安にお答えいただきました。
①区長になったら重点的に進めていきたい施策は?
②私を杉並区に引き留めてみてください。
③これまで杉並区では原水爆禁止の運動をはじめとして、環境活動など市民運動が活発なイメージがあります。このような主体性のある区民性にどんなイメージを持っていますか?
④子ども・子育てプラザが増え、乳幼児を受け入れる体制が整備されました。乳幼児が育っていった就学後なども安心して遊べる場所はこれから増えていきますか?
⑤3月で廃止になった児童館でアルバイトをしていました。人手が足りなさそうに見えたのですが、子どもに関わる職の専門的な知識を持っている正規雇用の人を増やすのは難しいのですか?
⑥家賃が高くて生活が苦しいです。再開発が進むと家賃が高くなると聞いたのですが、西荻の家賃もこれから高くなりますか?
⑦私は西荻のバス通りを駅までのルートとして頻繁に通行します。道路に関して土地の権利などがあるわけではなく、単に通行人という立場です。通行人としての意見を道路に反映してもらうにはどうしたらいいですか?
⑧選挙に関心のない若者に一言ください。
このまちで起きていることを傍観するしかできなかった私の視点からの質問なので、もっと核心に迫る質問を期待されていた方、すみません。
遠回りな質問ですが、どれかはきっと皆さんの生活にとって身近な話になっていているんじゃないかなと思います。
このインタビューにあたって相談に乗ってくださった西荻のみなさんや杉並区の選挙管理委員会の方々、拙いインタビューに真摯にお答えくださった田中ゆうたろうさん、田中良さん、岸本さとこさん(届出順)はじめ各陣営の方、お供してくれた友達や応援してくださったみなさん、本当にありがとうございました。
(伊藤)
以下届出順
田中ゆうたろうさん
6月5日18時 田中ゆうたろうさん後援会事務所にて
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田中良さん
5月31日 19時 田中良さん 後援会事務所にて
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書きおこし
岸本さとこさん
5月25日13時 岸本さとこさん後援会事務所にて
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西荻ブックレビュー生活保護についての本
皆さんは「生活保護」と聞いて、どんなことを思い浮かべますか?
杉並区では、昨年、生活保護申請をした男性が、高齢の親への扶養照会を望まない旨を伝えたにもかかわらず福祉事務所が扶養照会を行い、今年2月に、杉並区の一連の対応が大きな問題として報道され、多くの人が知るところとなりました。扶養照会とは、生活保護を受ける際に、扶養可能な親族がいるかどうかを確認するものですが、そもそも気軽に頼れる人がいないからこそ社会扶助を求めているにもかかわらず、保護の要件でもない扶養照会がずっと行われてきました。保護申請をする人は、家族と折り合いが悪かったり疎遠になっていたりする人も多く、今まで扶養照会をされたくなくて申請を断念する人たちが多くいました。コロナ禍で生活保護を必要とする人が増える中、扶養照会の壁をなくすべく、支援団体などの働きかけにより、2021年3月30日に厚労省から通知が発出され、翌4月1日より運用が改善されました。そのような背景がある中で、どうして杉並区の福祉事務所ではこのようなことが起こってしまったのでしょうか。
この問題に関して、2/16の杉並区議会で一般質問がなされましたが、保健福祉部長の答弁は、手続きの不備はなく、まったく改善の必要はないという内容でした。手続き上の不備はないと言い続ける道路拡幅や施設再編の事業の進め方と同じです。
生活保護というのは、1950年に成立した生活保護法に基づく社会保障制度で、国の制度なのですが、地方自治体にも一定の財源負担があり、都道府県知事・市長・福祉事務所を管理する町村長が実施機関となり、社会福祉事務所の社会福祉主事がこれを補助するとされています。そして、自治体の福祉事務所はその管轄する「福祉区」という行政領域内の生活困窮者の保護責任を持つことになります。ですので、杉並区で言えば、区長が実施機関となるわけです。責任がある分、権力にもなり得る権限です。
去る6/14、東京青年会議所(JC)が主催する杉並区長選立候補者によるネット討論会区長候補対談が行われました。その中でも、岸本さとこ区長候補がこの問題に触れ、質問されていました。扶養照会をしないよう求めた男性がその申出書を福祉事務所に受理されなかったことに対して、抗議・要請書を提出。それに対し福祉事務所からは、謝罪もしない、話し合いもしない、改善もしないという回答。万策つきた男性は支援者とともに現区長に手紙を出した。その返答についてです。田中現区長の返答は「優秀な職員が対応したと聞いているため、事実と違う。」というものでした。
生活保護は「無差別平等の原理」と言われていますが、「生活に困窮するすべての国民」は、貧困の原因を問われることなく平等にこの制度を使うことができます。この不安定な社会に生きている私たちは、誰もが生活に困窮する可能性があり、決して人ごとではないと想像したとき、生活保護の可能性と課題を知っておく必要があります。そんなことで、生活保護について知りこれからを考えるための書籍を紹介します。
『健康で文化的な最低限度の生活』1巻~11巻
柏木ハルコ 小学館
福祉事務所の女性職員が主人公となり、様々な背景や理由で生活保護を受ける人に対峙する物語。ケースワーカーの多忙ぶりや、常に人権と現場で向かい合う難しさなど、コミックだから感じられることがある。上記で触れた生活保護制度の問題は、ケースワーカーの人数や専門性の課題などが背景にあって起こっているという指摘があり、そんなことを想像するための一つの視点を持て、生活保護の基礎知識も得られる。11巻ではコロナ禍での現状にも触れている。
『生活保護リアル』
みわ よしこ 日本評論社
中途障害者であるみわさんは障害のある仲間も多く、生活保護を受けていることで起こる偏見などによるトラブルの相談にのってきたが、東日本大震災後にその相談が増加し、一つ一つに対応する限界を感じ、ライターとしてできることとして、生活保護制度を多くの人に深く知ってもらうためにこの本を執筆した。高齢者や障害者、子どもなど、生活保護を受けて暮らす人々の日常やその支援者、福祉事務所の職員のインタビューなどから構成されているため読みやすく、かつ複雑な生活保護制度の現実の課題をあぶり出している。
『生活保護解体論-セーフティネットを編みなおす』
岩田正美 岩波書店
生活保護は、社会保障の一つの手段である社会扶助制度であり、八つの扶助=生活扶助、共育扶助、住宅扶助、医療扶助・介護扶助、出産扶助、葬祭扶助、生業扶助で構成される。生活保護は、ほとんど「すっからかん」の要保護者像を前提に編み出された手法だが、そもそも困窮状態は家賃が払えない、医療費がかさんだ、入学費や教育費にお金がかかりすぎた…などの形でも現れる。「生活保護解体論」という衝撃的なタイトルだが、本書は、日々の生活費に事欠く一歩か二歩手前で、一括でなくても部分的に対応できる制度を設計しておいたほうが良いという考えを基本とした提案をしている。だれもが住宅の心配をしなくても良くなるだけでも、多くの人が新たな人生にチャレンジしたり社会貢献できることだろう。そんな夢想を現実にするためのブレインストーミングとして、是非読んでみてほしい。
(カリノミエ)
選挙割すぎなみ2022
いよいよ期日前投票も始まりました。
選挙割をご存知ですか。
選挙に行くといろんなお店でサービスが受けられるというキャンペーンで、これは区の選挙管理委員会がやっているわけでなく、完全に民間ボランティアが運営しているプロジェクトです。
投票率の低さを憂いている杉並区内のお店有志が協力、それぞれのお店が独自でサービスを提供しています。
選挙割の利用方法
1)投票所に行って投票
2)「投票済証」をもらう (←これ重要!)
3)「投票済証」をお店で見せるとサービスが受けられます
投票所で「投票済証」をゲットするのを忘れないこと!
投票所から退出すると、そのあともらうことはできません。
「選挙割すぎなみ」のHPの「参加店舗一覧」から、どこのお店がどんなサービスを出しているのかを見ることができます。
選挙割すぎなみプロジェクト2022 では、選挙割参加店をひきつづき募集中。サービスする期間と、「消費税サービス!」とか「1ドリンクサービス!」とか「◯%OFF!」とかのサービス内容を決めたら、下のフォームからお店の登録ができます。
参加フォーム
期日前投票
杉並区長選挙・杉並区議会議員補欠選挙の期日前投票についての情報が出ています。
会場一覧はこちら(※7/10リンク先消去済)
期日前投票の期間は6月13日(月曜日)~6月18日(土曜日)、区が指定する期日前投票所なら、どこでも投票ができます。西荻窪周辺だと、青梅街道沿いの西荻地域区民センターと神明通りの南集会所でしたが、駅前にあった区民事務所が南集会所の場所に移転することになり、南集会所はすでに閉鎖、旧西荻北児童館が期日前投票所となります。
整理すると……
6月13日(月曜日)~6月18日(土曜日)
午前8時30分から午後8時まで
西荻エリアの投票所は……
西荻地域区民センター(桃井4-3-2)
旧西荻北児童館(西荻北1-9-5)
自動車で行きやすい投票所は……
杉並区役所(阿佐谷南1-15-1)
ウェルファーム杉並4階・天沼区民集会所(天沼3-19-16)※台数に限りあり
なお投票にあたって、投票券を忘れてしまった、紛失してしまった、ということでも、投票人名簿にある情報との照合等、総合的に判断して問題なければ投票できるそうですよ。
西荻シネマ準備室の貸出について
西荻シネマ準備室は、西荻窪からなくなって久しい「映画館」の復活を目標に、その実現に向けての調査研究・準備をするために設けられたスペースです!……が、ふだんは多目的スペースとして以下のようなご利用が可能です。
展示会○販売会○新製品発表会○ワークショップ会場○トークイベント会場○ミーティング・会議○撮影スタジオ○習い事○読書会○学習会○お教室○記者会見○オンライン配信会場 などなど
1時間1,500円 または1日15,000円(9-21時)
(コロナ自粛期間特別料金です)
ご利用のお問い合わせ kabu@nishiogi.org
「ことみせ」の貸出について
ことビル1Fのカフェ「nof coffee」店内入ってすぐの小さな展示スペースが「ことみせ」です。販売も可能です。出展を検討している方は、「(株)西荻のこと」までお問合せください。
展示会○販売会○作品展○研究発表 などなど
平日2,000円 土日祝4,000円
(11‐18時/木休 ※nof coffeeのラストオーダー時間まで)
ご利用のお問い合わせ kabu@nishiogi.org
西荻のこと研究所
メルマガアンケート
メルマガ読者の皆様からの叱咤激励をいただきたく、アンケートを作ってみました。何度でも構いませんので、新しいご意見を思いつきましたら、ぜひ投稿してください
アンケートはこちらから
読みやすい杉並区議会議事録
平成30年9月から令和2年6月までの杉並区議会より、都市計画道路補助132号線に関するやり取りの部分だけを抜粋したPDFを作成しました。
どんなやりとりが行われているのか、ぜひチェックを。
読みやすいように縦書きでレイアウトしてみました。
以下よりダウンロードしてください。
https://nishiogi.org/wp-content/uploads/2020/08/gijiroku132.pdf
西荻窪の未来を考える会 議事録
2020年7月17日と11月20日、西荻北銀座商友会の樋代会長と、杉並区の道路と都市計画と商店街関係部署(都市整備部土木計画課・市街地整備課・産業振興センター)の担当者と、西荻のこと研究所メンバーで会合を持ちました。その際の議事録をHPにアップしました。
この「西荻窪の未来を考える会」は、将来的には西荻窪エリアに住む住民にもっと開かれたまちづくり会合の場を実現するべく、その準備として行っています。
西荻窪の未来を考える会議第1回
西荻窪の未来を考える会議第2回
研究所員をいっしょにやりませんか?
参加希望の方、まずはメールをお送りください。
info@nishiogi.org
西荻のこと研究所 メールマガジン配信
次号 2022年7月1日(金) 予定
西荻のこと研究所では、みなさんが気になっていることなどを取り上げてまいります。感想やご意見、取り上げてほしいことや疑問質問などお寄せください。また、「西荻のこと」についての投稿などもお待ちしています!
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