2020年12月30日

西荻のこと研究所 メールマガジン 14号 (2020.12.11)

投稿者: nishiogiorg

自転車のことを、
あらためて考えてみました

10月31日、11月1日で行った「北銀座通り拡幅事業の自由研究発表会」でも反響が大きかったテーマ「自転車」について、ちょっと考えてみようと思います。
東日本大震災の直後もそうでしたが、新型コロナウイルスの流行が起きて、たくさん売れたのが自転車です。6月頃には、品薄になってなかなか購入できなかった方もいらっしゃいますよね。
公共交通機関を避けることもでき、運動にもなるし、ガソリン代も浮くし……自転車はエコで手軽な乗り物として、今見直されています。

最近は、スポーツ車が流行して乗る人が増えたからか、便利な電動アシスト付き自転車が安価になってきて普及してきたからか、事故など悲しいニュースに登場する機会も増えてきましたね。

展示に来てくださった西荻のみなさんからは、どのようなご意見が多く寄せられたか簡単に思い出してみたいと思います。

・自転車は環境に優しい
・自転車マナーがよくない人がいる
・交通ルールを学んでほしい
・スピードをだして歩道を走ると危ない
・自転車を駐輪する場所に困る
・車道を走るのはこわい
・車と自転車を分けたい
・人とすれ違いやすくなるように、歩道が広いといい

こうやって見ると、ちょっとネガティブな意見が多いのかなって思います。
自転車ってまちの嫌われ者なのでしょうか?

■どこを走ればいいの?

あれ?そもそも、自転車ってどこを走ればよいのでしたっけ?
自転車は「軽車両」とされているので、原則、車道を走ります。走れる歩道は、「普通自転車歩道通行可」の標識があるところです。また、自転車レーンがある場合はそこを走ります。
但し書きには、子どもや高齢者、交通量が多い場合など、危ないときは歩道を走ることができるとのこと。(参考:警視庁HP
雨風や、暑さ寒さに負けず、自転車ユーザーは日々頑張ってペダルをこいでいるのですが、車道では車の邪魔をして、歩道だと歩行者の安全を脅かし、なかなか肩身が狭いです。どうしたら楽しく安全な自転車ライフを実現できるのでしょうか?

■世界の自転車まちづくりの先進事例

ちょっと調べてみると、アムステルダムは世界一の自転車先進都市と呼ばれているようです。新型コロナウイルスが蔓延して以来、パリやニューヨーク、ボストンなど、自転車フレンドリーなまちがニュースで紹介されていましたが、今回は2018年に紹介されていたアムステルダムの事例をチェックしてみます。

アムステルダムは、5つのステップで、車両と歩行者が共存することに成功しているのだそうです。
日本で導入するためには、道路や歩道の幅が狭いという問題が真っ先によぎりますが、ちょっと検討してみましょう。

Step1: 街の全域に自転車道を整備する
→これは日本でも今、さかんに取り組んでいますよね。怖いなぁと思って自転車に乗るときに、なるべく車道を走らないようにしていましたが、北銀座通りの車道を実際に走ってみると段差や歩行者がいないので思いのほか走りやすかったです。小さいお子さんを乗せた自転車は、重心がぶれて危ないので要工夫です。

Step2: 自転車道と自動車道、歩道を分離する
→これができれば素晴らしいですね。スペースが必要ではありますが。ときどきこういうところがあって、抜け出せなくなりそうで、慣れない道だと緊張するのが自転車専用レーンです。ただ、生活圏内はぜひ導入してほしいですね。歩行者が迷い込んでいると逆に危険なので、導入するときにはルールの周知が必要かと思いました。

Step3: 車道をなくして車の乗り入れを禁止する
→これは思い切った取り組みですよね。バルセロナのスーパーブロック計画もそうですが、都市の中心部から車を排除しようという取り組みです。環境にも配慮でき、ウォーカブルでヒューマンスケールなまち並みづくりに貢献しますよね。経験したことがないので、ぜひ自転車で走ってみたいです。

Step4: 車の速度制限を自動アシストする
→車道にバンプ(スピードを出して走るとガタガタいってしまう隆起した部分)を設置して車のスピードを下げようというものです。これは、日本でも見かける手法ですよね。歩行者にもやさしい取り組みなので、自転車だけでなく歩行者の多いエリアや、子どもが飛び出しかねない住宅地などで有効です。

Step5: 自転車専用信号機を設置する
→これも経験したことがないのですが、自転車に乗っていると、歩行者用信号と自動車用の信号と、どちらを見ればよいのかわからず、グリム童話にでてくるどっちつかずのコウモリのような気分になります。また、自転車に乗る人たちが、わかっていないといけないので、教習システムが必要そうですね。

(参考:greenz.jp 世界一の自転車先進都市・アムステルダムは、なぜ、どのように生まれたのか。5つのステップで探る。
(写真引用、参考:オランダ旅行のオフィシャルガイド アムステルダム:世界の自転車都市
さてさて、自転車について「北銀座通り拡幅事業の自由研究発表会」で寄せられたご意見にむけて、何かヒントになったでしょうか?

(文・国重)


西荻窪の自転車事情 その1

先日地蔵坂で、ある店主との立ち話。「今野書店さんの前、駐輪禁止になっちゃったから、ちょっと自転車置いて本買う、ができなくて」「まあそうだよね、あそこ道狭いし、バス通るし置いちゃいけない、って分かってるんだけど、じゃあ、高架下に停めに行くかっていうとちょっと面倒だしね、わかるわかる」

私、なるべくネットではモノを買わないようにしていて、何か買うなら西荻窪の個人店で!っていうポリシーですが、自転車ユーザーにとってはなかなか不便なのが商店街の駐輪事情。

2・30分さっとお店の近くに自転車を停めて買い物をできるようになったらもっと心置きなくあちこちはしごするのにな、と常々感じています。

西荻窪の商店街は大々的なイベント開催よりも、小さな駐輪場をあちこちに用意すれば日々の商店街利用率高まるのでは?(なんて、だめもとでいくつかの商店会に提案してみるとしましょうか)

西荻窪の自転車事情について、こんなふうに利用するといいよ!とか、こうしたらいいんじゃない?とか思うところのある方はぜひ西荻のこと研究所まで、メールを下さい。

こちらは西荻北5丁目のセブンイレブンの裏手に発見した、レンタサイクルスポット。友達が西荻窪に遊びに来てあちこち連れて行くときに便利かも、と思いました。

(文・奥秋亜矢)


気になるまちの駐輪事情
おとなりのまち吉祥寺

最近、新型コロナの影響で、交通公共機関を使わずに自転車で少し遠くまで行ってみようなんて人も増えたのではないでしょうか。自転車でのデリバリーを利用する人も多くなり、西荻窪のまちも今までよりも自転車で往来する人が増えているように感じてます。

自転車は、歩くよりも早く遠くに行けるし、荷物も積めるし、子どもも乗せられるから、本当に便利な交通手段ですよね。でも、歩く人と自動車の間で事故の危険にさらされたり、さらしたりすることも多かったり、駐輪スペースに困ることもしばしば。勝手に街路に駐車すれば行き交う人たちに大迷惑。西荻窪でも自転車駐輪問題はしばしば話に出ていますね。

そこで、お隣のまち吉祥寺(武蔵野市)の駐輪事情はどうなっているのか、あらためて見てみようと、吉祥寺を駐輪目線で散策してみました。私はかれこれ20年近く吉祥寺界隈に住んでいるので、吉祥寺に自転車で行った際、駐輪をどうするか問題には触れて来ました。基本的には公共や百貨店などの駐輪場を利用しているのですが、道路に自転車が溢れている時期もあり、色気のない“駐輪禁止”、“撤去します!”の文字が乱立していて、素敵なまち吉祥寺とは言えない状況でした。

最近、健康のため歩いて吉祥寺に行くことが多く、駐輪事情をあまり気にしていなかったのですが、「ん?なんだか歩道がスッキリしているような……撤去の札をつけられた自転車をあまり見かけなくなったような……」と感じていました。そこで「あれ?なんだか駐輪場が増えてない?」ということに気がつきました。いつも髪を切ってもらっている美容師さんに「自転車で来るなら、あの駐輪場が穴場で空いてますよ。」なんて言われて、「そんな駐輪場が前からあったっけ?」ということで、吉祥寺のまちをあらためて見渡してみたら、以前より確実に駐輪場が増えていたんです! しかも以前は駐輪場に係の人がいて、入口で100円払って預けていたところも多かったのですが、無人で停められるシステムの方が増えていました。もちろん、イマドキの精算機なので現金でも交通系ICカードでもOK。この十数年の間に少しずつ進化していたんですね。ご存知の方も多いと思いますが。

それで、吉祥寺の今の自転車駐輪事情です。

以前はガードレール沿いが駐輪車でいっぱいなこともありましたが、今はスッキリ!

公共駐輪場だけでなく、百貨店などの駐輪場から民営の駐輪場までバリエーション豊富

公共駐輪場も大小様々。

公共駐輪場では一時利用の場合、12時間ごとに100円かかりますが、2時間までは無料なので、ちょっとした買物や用事を済ませるにはとても便利。近辺の駐輪場の混雑状況も一目でわかるようになりました。また、少し離れたところから満・空車情報も確認できるので、満車だったら次の駐輪場に素早く移動できます。

なんと、混雑状況はWEB上からも確認できます。

吉祥寺駅周辺自転車駐車場一時利用案内

これなら「なーんだ満車かぁ、ちょっとの間だから置いちゃおう!」なんてデキゴコロを起こさずに済みますね。まぁ、以前から勝手に置くと容赦なく撤去されちゃう厳しさもありましたが(笑)。吉祥寺は案外広いまちなので、一か所の駐輪場においても目的地まで歩くと遠いと感じていた人も多かったはずですが、この満車確認システムを利用すれば駐輪場のハシゴも可能です。ますます便利に楽しくお買物やまちの散策が出来るようになったように思えます。武蔵野市は平坦な土地なので、自転車で移動するには格好のエリア。自動車や公共交通機関を使わずに済めば環境にも優しいですよね。

それで、なんでこんなに自転車駐輪事情が改善されて来たのかと考えたのですが、吉祥寺は武蔵野市の目玉商品的商業エリアなので、放置自転車が山盛で美しくないまちであってはいけないという意識が強いのかもしれませんが、同じく三鷹駅や武蔵境駅周辺もかなり駐輪事情が改善されているところをみると、確実に市民の声が届いているからなのかなと思いました。

武蔵野市では「市政アンケート」を60年近く実施してきました。

↓リンク↓
市政アンケート50年史

はがきで返信するというかなりコンパクトなアンケートなんですが、簡単に回答できるので気軽に自分が武蔵野市に重点的にやって貰いたいことを発信することができます。

令和元年度の結果から、重点的に進めてほしい施策で、自転車対策は堂々3位です。実は毎回自転車は3位くらいに入っている常連さんです。一方、評価できる市の施策では2位と、評価の方が上回っているんです。

この市政アンケート調査結果を見て、少なからず回答した市民は、まだまだ要望はありつつも、私が吉祥寺で見て来た通り、以前より改善された!と感じていて、市も頑張ってるねと評価をしたわけです。市民としては声をあげたら何か少しでも良くなったと肌で感じられるとちょっとした達成感を味わえます。

今回は「駐輪事情」がテーマでしたが、市民参加の大切さも同時に知ることが出来ました。日頃から少しずつでも声をあげていれば、きっと何かが良くなると諦めずに伝えていくことは大事だと思いました。

(文・平野)


まちのこと参考図書部
第1回

『川は生きている』
『道は生きている』

(著・富山和子、出版・講談社青い鳥文庫)

「そもそも道とはどのような存在なのか」ふと立ち止まって考えます。道は常に私たちのそばにあり、毎日のようにそれを利用しています。生まれた時から道は当たり前にそこにありました。この「そもそも」を考える中で二つの本を紹介します。

 一つ目は『道は生きている』(著・富山和子)です。昔から現在にわたり、道がどのような存在であったのか優しい言葉でたどることができます。一冊を通して、道は人間とともに歩んできた、人間が通ってこその道であるという主張を感じます。この本で特に注目したいのが「道はやさしい道でした」の項と「車と人間」の項です。前項では、かつての道が弱い人達にも優しいものであったことを紹介しています。特に急な坂の横に緩やかな坂があったという神社の「男坂」と「女坂」の話は、今の道に転用できそうと感じます。自転車を使う人たちと徒歩の人たち、どちらにも便利な道があるといいですよね。「車と人間」では、今の道は人のためではなく、車のための道になってしまっているのではないかと問題提起をしています。「道は遊ぶところだった」この言葉に感じるところがあるのは私だけでしょうか。私はあまり道で遊んできた記憶はありません。道はあくまでどこかへ向かうために使うものでした。しかし、道で遊ぶ子供たちや道で立ち話をする、そのような景色を思い浮かべるとどこかなつかしさを感じます。せかせかと通るのではなくたまに立ち止まって話をする、周囲を見渡す、そんな余裕を持てる道があればいいなと想像が広がりました。

 二つ目は『川は生きている』(著・富山和子)です。道の話なのに川?と思われるかもしれません。この本は『道は生きている』が含まれているシリーズの第一弾の書籍です。道とともに川は身近にありながら、普段はあまり意識をしていない存在なのではないでしょうか。私にとって川はとても遠い存在でした。散歩の途中で見ることはあっても柵の向こう側をのぞき込まなければそれが川であると本当の意味で認識することはできていないと感じました。一方で本でも言われていますが、近年水害はとても身近なものになっています。川の氾濫によって大きな被害を受けている様子は大雨のたびにテレビで目の当たりにします。この本は、自分の川や水害に対する認識をかえりみるきっかけとなりました。確かに指摘の通り人間が川を囲んできた結果が今の水害の多さなのでしょう。やはり一度立ち止まり、どのような経緯の上で私たちの生活の場があるのかを考えることも大事だと感じます。

 上記二冊は講談社の青い鳥文庫から出版されています。子供のころ親しんだ子供向けの書籍です。ですが内容は考えさせられるもので道とは、川とはと考えていくきっかけになりました。文章も簡単で優しい雰囲気の文体が並んでいて、息抜きとしてもぴったりだと思います。毎日の忙しない日常の中で一時、道や川に関して過去へと思いをはせてみてはいかがでしょうか。

本はカフェインザラフ(西荻北2-37-8)内、入り口そばの「西荻のこと研究所ライブラリー」にも置いてありますので、カフェのご利用がてらぜひご覧くださいね。

(文・西澤玉葉)


西荻窪のイルミネーション

商友会イルミ祭り・ひかりのにわ・東京女子大学

ここ最近の西荻の冬の風物詩といえば、イルミネーション。阿佐ヶ谷駅前や吉祥寺駅前と比べればささやかなものですが、通行人の目を楽しませてくれます。
今回は西荻のイルミネーションを3つ紹介します。

***

1つ目は北銀座通りの100円ローソンから関根橋を越えてギャラリーブリキ星までの「西荻北銀座商友会」が主催する「商友会イルミ祭り」12/1-2/28
商店会加盟各店舗がそれぞれに工夫をこらしたイルミネーションを点灯しています。
今年から始まったのが関根橋へのイルミネーション設置。橋の欄干が明るくなって、夜の商店街を歩くのが楽しくなりますね。

2つ目は、神明通りの西荻東銀座会が主催する「ひかりのにわ2020」12/10-2/3
西荻南児童公園があたたかなひかりの空間に。

3つ目は東京女子大学です。(学校の中にはもちろん入れませんが外からよく見えます)

こんな状況なので遠出は控えている、という方も、近所のイルミネーションを楽しんでみるのはいかがでしょうか。

西荻のこと研究所
メルマガアンケート

メルマガ読者の皆様からの叱咤激励をいただきたく、アンケートを作ってみました。何度でも構いませんので、新しいご意見を思いつきましたら、ぜひ投稿してください
アンケートはこちらから

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読みやすい杉並区議会議事録

平成30年9月から令和2年6月までの杉並区議会より、都市計画道路補助132号線に関するやり取りの部分だけを抜粋したPDFを作成しました。
どんなやりとりが行われているのか、ぜひチェックを。
読みやすいように縦書きでレイアウトしてみました。

以下よりダウンロードしてください。
https://nishiogi.org/wp-content/uploads/2020/08/gijiroku132.pdf


西荻窪の未来を考える会 議事録
2020年7月17日と11月20日、西荻北銀座商友会の樋代会長と、杉並区の道路と都市計画と商店街関係部署(都市整備部土木計画課・市街地整備課・産業振興センター)の担当者と、西荻のこと研究所メンバーで会合を持ちました。その際の議事録をHPにアップしました。
この「西荻窪の未来を考える会」は、将来的には西荻窪エリアに住む住民にもっと開かれたまちづくり会合の場を実現するべく、その準備として行っています。

西荻窪の未来を考える会議第1回会合議事録

西荻窪の未来を考える会議第2回会合議事録

本メールマガジンに掲載したアンケートと座談会を収録した冊子ができました。300部限定で配布をしていますので、必要な方は西荻のこと研究所までご連絡ください。

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次号 12月25日(金


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