2026年6月5日

西荻のこと研究所 メールマガジン107号 (2026.1.26)

投稿者: nishiogiorg

沼袋視察記

西荻のこと研究所メンバーでどこかに「視察」に行こうということになり、昨年末29日、沼袋に行ってきました。
沼袋は西武新宿線の駅で高田馬場から4駅目。杉並区のとなりの中野区にあります。
なぜ沼袋に注目したか。今、沼袋駅周辺では、「西武新宿線の地下化」と「都市計画道路」により、まちの大改造が行われているまっ最中なのです。

沼袋駅周辺の都市計画について

西武新宿線と中野区は、中井駅から野方駅までを地下化する事業を進めています。これにより7箇所の踏切がなくなります。また、小田急線の下北沢駅周辺のように、地上部分の活用も今後の話題となるでしょう。

それとは別に、平成23(2011)年8月に中野区が都市計画決定、平成29(2017)年8月に事業認可がおりた都市計画道路「中野区画街路第4号線」(約560m)が、ただいま事業中です。一方通行路となっている駅前のバス通りを14mに拡幅して2車線にするほか、駅南口を交通広場にする計画です。

ちなみに西荻窪の都市計画道路「補助132号線」は、都市計画決定が昭22(1947)年、昭和41(1966)年に現在の計画に変更され、令和2(2020)年4月に一部区間の事業認可がおりています。都市計画決定の時期はかなり違いますが、事業認可の時期が近いので、なにかと比較がしやすいのではと思った次第。

沼袋の様子

沼袋の駅北口に集合しました。周辺はまさに工事中。フェンスに貼られた立体交差事業の工事進捗の様子をチェックしている間に全員集合。ちょっと歩くと廃止予定の踏切があります。ここから事業中の都市計画道路である商店街に入ります。

大型の店舗はありません。チェーン店と個人商店がいい感じに軒を連ねていて、途中でコロッケを買ったり、西荻からはなくなってしまった魚屋さんが元気に営業していたり、路地を入ると銭湯があったりなど、日々楽しく生活できそうな商店街です。ただ一方通行でバスがぐいぐいと入ってくると避けなければなりません。

すでにセットバックをしている箇所もあり、このあたりも西荻の北銀座通りにちょっと似ています。ただちょっと違うのは、建て替えられたところが必ず店舗になっていることです。

これは、「区街4号線に面する建築物の地上1階部分を住宅、共同住宅、寄宿舎又は下宿(以下「住宅等」という。)の用途に供するもの」については、原則として建築してはならないという地区計画があるからなのです。この地区計画は、事業認可の直後である平成30年3月に決定、同10月に「中野区沼袋区画街路第4 号線沿道地区における建築物の制限に関する条例」が公布されたもので、これがあるために、セットバックしたところにお店が入っているんですね。本来ならば都市計画道路の事業認可とセットでこうした地区計画も定めるのでしょうが、西荻窪にはこうしたルールが未だ存在していません。そのため、1階から住宅の投資用マンションが建ったり、「延焼遮断帯」にしては低すぎる住宅が建ったりしているのが現状です。西荻窪でもはやく地区計画をつくらないといけないんじゃないかな、という思いをあらたにしました。

ケアの歴史

ちなみにこの日のナビゲーターは、前回メルマガのブックレビューで紹介した『オランダの小さな村に学ぶ ケアからはじまるコミュニティ』を執筆した建築家・吉良森子さん。明治大学大学院の留学生と、西荻の道路を題材にした研究発表をした際、「西荻のこと研究所」でサポートをしたことがあります。沼袋は吉良さんに縁のある場所で、ただふんわりと歩いただけではわからない沼袋のことを、いろいろと教えていただきました。

「ちょっと行ってみましょう」と吉良さんが案内してくれたのが、沼袋駅北口から徒歩15分のところにあるカトリック徳田教会(とくでんと読みます)。「実はここの保育園が母校なんですよ」と、ずんずん教会の中に入っていく吉良さん。大丈夫かなと一瞬ひるんだのですが、教会というのは基本的に開放されている場所なのだということで、中も見ることができました。こじんまりと囲まれた落ち着いた空間で、聖堂の内部もやわらかな光に満ちておだやかな気分になりました。

さて、この周辺を地図で見ると、教会がほかにもあり、また病院や介護施設などが多いのです。その理由は歴史経緯を見るとわかります。すぐ近く、現在の江古田の森公園がある場所にはかつて、東京市療養所(結核のサナトリウム)がありました。一時は結核患者たちが入院を待っている状態となり、完治前に退院させられるなど、過酷な状況もあって、そういった人々を収容するためにフランス人のフロジャック神父がつくったのが、徳田教会の前身となる「ベタニアの家」でした。それに続き、民間の療養所もいくつかできました。

結核の治療法が確立し、これらの療養施設は総合病院や介護施設等になりましたが、まちに「ケア」の歴史が刻まれ、それが今も息づいているということを強く感じました。

高円寺も行きました

その後、吉良さんとはお別れして中野までバスで移動。さきほどの都市計画道路を、テーマパークのアトラクションばりに建物スレスレで走る路線バスにびっくり。

中野から高円寺までは徒歩。令和4(2022)年7月に事業認可がおりた都市計画道路補助221号線を歩きました。

取得済み用地や、測量お断りのステッカーを貼っている民家、閉店したお弁当屋さんの貼紙、反対の幟旗、区設置のお知らせ看板、JR東日本の変電所などをチェック。

次は都市計画道路の優先整備路線となっている高円寺の商店街(純情商店街と庚申通り/補助227号線)を歩き、早稲田通り以北の大和町中央通り(中野区が事業中の補助227号線)もチェック。立て看板によると、街路樹をモッコクとオタフクナンテンにするらしい、などという情報を得たりなど。そのあとは、高円寺駅方面に戻り、西荻の柳小路と並ぶ杉並の「世界遺産」候補、「大一市場」に入り、韓国料理のお店で忘年会をしました。

(奥秋圭)


「東京における都市計画道路の整備方針(案)」について
(再掲)

2026年3月末までに発表する「東京における都市計画道路の整備方針」(第五次事業化計画/都市計画道路整備の優先順位を10年毎に見直している)の「案」が発表されました。

「東京における都市計画道路の整備方針(案)」について
https://www.toshiseibi.metro.tokyo.lg.jp/kotsu_butsuryu/doromou/keikaku_doro/seibihoushin_ann

西荻窪周辺の優先整備路線については、10年前の「第4次事業化計画」から変更された点はなさそうですが(「補助132号」については、西荻窪駅南の西武信金のある交差点までが「優先整備路線」になっています。また、杉並区内の「外環の2」はひきつづき「計画内容再検討路線」です)、チェックしてみてください。


東京都では、1月30日(金)までということで「御意見・御提案の募集」をしています。
送付方法等の詳細は上記HPにあります。(すでに締切)

またそれに伴い、東京都と杉並区ではオープンハウス(パネル展示と質問会)を実施します。
開催日時は杉並区のHPに載っています。

杉並区HP:
東京における都市計画道路の整備方針(案)に関するお知らせ(2025年12月23日更新)(ページ削除済み)

西荻地域区民センターでの開催は1月12日(月曜日)午前10時~正午(平日2時間)となっています。

また、今回の第五事業化計画(案)については、杉並区長から動画メッセージが発表されています。
これは、高円寺駅北口の商店街で計画されている補助227号線(既に優先整備路線に指定されている)が今回ひきつづき優先整備路線になることを懸念した住民有志が、反対運動をしていることへのリアクションとして発表された、と考えていいのではないかと思います。優先整備路線に指定しながら、区としては事業化しない方針、という、相矛盾した要素がある区の考え方について説明をしたものです。ほか、区内道路整備に関しての説明もわかりやすいのでぜひご覧ください。

Youtube杉並区公式チャンネル
(字幕あり)東京における都市計画道路の整備方針(案)に関する区長のメッセージ
https://youtu.be/Cu5XMSfd9_c?si=Pe9MX2afK5whU2lS

(奥秋圭)


真冬の衆院選がスタート

衆議院の選挙が1月27日からスタートします。投票日は2月8日。西荻は東京8区です。

選挙ドットコムによると、現在5人の方が立候補を予定しているようです。

参考までに、前回(2024年10月27日投票)の結果は以下の通り(得票順)。

吉田はるみ(立憲)116426
門ひろこ(自民)74963
南北ちとせ(維新)20342
大森紀明(参政)16310


速報
西荻窪地域(仮称)デザイン会議
報告会 開催
2月14日(土)勤労福祉会館

西荻窪地域(仮称)デザイン会議のいったんのまとめとなる報告会が、2月14日(土)の昼に勤労福祉会館で開催されることとなりました。近々広報すぎなみにも情報が出るはず。西荻のデザイン会議ではいま、4つの部会にわかれてそれぞれが対話を続けています。

4つの部会とは、
西荻ならではの人中心の道づくり部会
西荻窪らしい商店街を守るルールづくり部会
多様な世代や立場の人の居場所づくり部会
道路用地の利活用部会

です。

2月14日にはそれぞれの部会で話し合われていることが共有できるようなパネル展示をしてそれをそれぞれが説明していくような報告会になる予定です。説明するのは行政職員ではなくデザイン会議の参加者。
多くの人が見て聞いて、西荻の今を知っていただけるような会になりそうですので、ぜひみなさん、足をお運びください。

(奥秋圭)


いつでもできます
ニシオギ大調査

  「西荻のこと研究所」で実施している「ニシオギ大調査」は、当初はイベント開催でしたが、現在では恒常的にできるようになっています。コースはAコースとBコースの2種類。
スタート地点から歩きながら、チェックポイントにてスマホで入力フォームにアクセス。それを繰り返すだけの簡単調査です。
コースガイドは「西荻のことカフェ」はじめ、西荻のいろんなお店のチラシラックなどにありますので探してみてください。こちらからPDFのダウンロードも可能です。


NEW!! 読みやすい杉並区議会議事録
内容をアップデートしました

杉並区議会・委員会の議事録より、「都市計画道路補助132号線」に関するやり取りの部分だけを抜粋した、読みやすい縦書きPDFを以前から公開しておりましたが、このたびバージョンアップしました。

収録の期間がぐぐっと増えて、

平成30年9月〜令和4年5月

となります。

令和4年5月を区切りとしているのは、令和4年6月19日に杉並区長選挙があり、ここで区長が交代しているためです。区長交代後の議事録も現在作業中。
どんなやりとりが行われてきたのか、ぜひチェックを。

以下よりダウンロードしてください。

https://nishiogi.org/wp-content/uploads/2024/09/240922gijiroku132_01.pdf


大好評発売中!!!
「ニシオギ空想新聞Vol.2」

(全16ページ/フルカラー)
発行日 2023年3月15日
販売価格 330円(税込)

西荻の道路や開発のことを扱った「ニシオギ空想新聞2」。ぜひ多くの方に読んでいただいて、西荻の人自身で西荻のことを考える機運となればと願っています。

販売店(順不同)
西荻のことカフェ/信愛書店/古書音羽館/村田商會/カフェインザラフ/暮らしのいろいろ ていねいに、/三つ枝商店/インド料理ガネーシャガル/今野書店/Loupe/Dawner/やきとり戎/アトリエハコ/サロン+アトリエポルカ/Title/BREWBOOKS/ランチハウス/数寄和


目次:
◯抄録 ことビルオープニングトーク 「西荻のこと、まちのこと、これからのこと」     饗庭伸・中島直人
◯報告 ニシオギ大調査     コース紹介・参加方法・分析座談会
◯分析 さとことブレスト
◯インタビュー 都市計画道路担当課長・星野剛志さん
◯4つの疑問と6つの提案
◯インタビュー 西荻の人に聞きました2
やきとり戎/JR西荻窪駅/関東バス株式会社     信愛書店/あなたの公差転/杉並区長/中野書店     区議会議員(1)/区議会議員(2)
◯ニシオギ空想新聞図書室


お問い合わせメール
info@nishiogi.org

なお、3年前の2020年1月に西荻案内所から発売されたVol.1はこちらから無料でダウンロードできます。そちらも合わせてぜひチェックを。


西荻シネマ準備室の貸出について

西荻シネマ準備室は、西荻窪からなくなって久しい「映画館」の復活を目標に、その実現に向けての調査研究・準備をするために設けられたスペースです!……が、ふだんは多目的スペースとして以下のようなご利用が可能です。

展示会○販売会○新製品発表会○ワークショップ会場○トークイベント会場○ミーティング・会議○撮影スタジオ○習い事○読書会○学習会○お教室○記者会見○オンライン配信会場 などなど

1時間 平日2,200円 土日祝2,750円(利用は2時間から)
1日 平日22,000円 土日祝27,500円(9-21時)
いずれも税込


ご利用のお問い合わせ kabu@nishiogi.org

西荻のこと研究所
メルマガアンケート

メルマガ読者の皆様からの叱咤激励をいただきたく、アンケートを作ってみました。何度でも構いませんので、新しいご意見を思いつきましたら、ぜひ投稿してください
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西荻窪の未来を考える会議 議事録

2020年7月17日と11月20日、西荻北銀座商友会の樋代会長と、杉並区の道路と都市計画と商店街関係部署(都市整備部土木計画課・市街地整備課・産業振興センター)の担当者と、西荻のこと研究所メンバーで会合を持ちました。その際の議事録をHPにアップしました。
この「西荻窪の未来を考える会議」は、将来的には西荻窪エリアに住む住民にもっと開かれたまちづくり会合の場を実現するべく、その準備として行っています。

西荻窪の未来を考える会議第1回

西荻窪の未来を考える会議第2回


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2026年2月10 日(月) 予定


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