2022年6月9日

インタビュー・田中ゆうたろうさん

投稿者: nishiogiorg

6月5日18時 田中ゆうたろうさん後援会事務所にて

伊藤)私は西荻のこと研究所っていうまちづくり団体で活動していて、今回は若い世代の投票率の低さっていうのはちょっと問題だなと思って、区長選の立候補に予定の方にインタビューをして、若い世代の投票の材料になるかなということで、インタビュー企画させてきました。よろしくお願いします。では、始めていきたいと思います。

まず最初の質問です。区長になったら、重点的に進めていきたい施策について教えてください。

田中ゆ)まず日本人の権利を守る杉並区を作っていきたいと思っています。現在、杉並区には、自治基本条例というものがありますけれども、この条例の中には、外国人の方々の投票権が場合によっては認められてしまう、そういった余地が残されています。

私は外国人地方参政権には反対の立場であります。しかし、この自治基本条例の中身は、この外国人地方参政権の代替制度とみなされてもおかしくない要素が含まれています。私は、外国人の方々を差別するつもりは毛頭ございませんけれども、外国の方々と、本当の友情や信頼関係を育んでいくということと、自衛隊や警察など日本国民の生命財産に関わるような事柄にまで、外国人の方々の投票権を直ちに認めてよいのかどうか、ましてやそのような国政に関する一大事はですね、杉並区という1自治体で勝手に議論を進めて良いのかどうかということは、おのずから切り分けて考えなければならないというふうに思っています。

外国人地方参政権に反対の立場から、杉並区の自治基本条例には改正をいたします。そして、あわせまして、現在の杉並区長・田中良さんですね、田中良さんの公私混同、金権腐敗政治をきっぱりと正していきたいというふうに思います。

田中良さんの公私混同、金権腐敗政治については、もう既にマスコミでも大きく取り上げられてしまいましたけれども、非常に大きな問題だと思っています。特にですね、昨年緊急事態宣言中に、区長公用車で群馬県の北軽井沢に出かけて、ご自分のゴルフ仲間と酒盛りを行っていたとまたそのゴルフ仲間に杉並区の区立施設の指定管理者の座まで与えるというそういう不適切が、利益誘導まで行っていた。こういったことは断じて改めていかなければならない。そのための一つの方策として、区長公用車はこの際きっぱり、廃止したいと思っています。区政私物化の温床となってしまっていますからね。区長公用車はきっぱり廃止をする。

また併せまして、私、田中ゆうたろうの議会質疑で、この度明らかになりました、杉並区立杉並芸術会館「座・高円寺」の会計不正問題にもしっかり取り組んでいきたいというふうに思っております。この劇場は、指定管理者による補助金の未計上という会計不正が発覚しておりますので、しっかりと改めていきたいと思っております。

伊藤)次の質問なんですけど、私は今、杉並区に大学進学をきっかけに引っ越してきて、卒業して就職したらもう杉並区の外にでも引っ越そうかなと考えてるんですけど、なんかちょっと無理なお願いで恐縮なんですけど、私を杉並区に引き留めてみてもらえますか? こんないいまちにするから住んでた方がいいよみたいなのがあれば教えてください。

田中ゆ)はい。ちなみにご実家はどちらなんですか。

伊藤)長野県です。

田中ゆ)長野県。親御さんは長野ですか?

伊藤)はい。

田中ゆ)そうですか。今のご質問ですけれどもね。私は家族の絆をね、しっかりと大切にできる、杉並区にしたいと思ってるんです。この先、どういう人生を歩まれるかわかりませんけれども、もしご家庭を築かれることがあったら、例えば子育て支援、しっかりと力を入れていきたいと思っています。

今の杉並区は5年連続で待機児童ゼロを達成しました。そのこと自体はいいんですけれども、ただ、ただ単に待機児童ゼロを達成するというだけじゃなくて、どのように達成をしたのかということが今非常に問われていると思います。

杉並区はこの間、箱をどんどんどんどん建てました。中には、区民に愛されている公園を潰してまで、保育園を作った例もあります。私は、ただ単に保育園を建てればいいというものではなくて、その中身、保育の質が非常に問われていると思います。

そこで働く方々の腕が非常に問われていると思います。今保育士不足は深刻です。保育園で働く保育士さん、あるいは幼稚園で働く幼稚園教諭の先生方の処遇をきちんと改善することによって、しっかりと保育、幼児教育の質、その劣化に歯止めをかけていきたいと思っています。

箱をつくればいいというものではない、しっかりと保護者の方々が安心して子供さんを預けられる、そういった中身のしっかりした保育施設の整備に、力を入れていきたいと思っています。同じことは、介護についても言えます。

杉並区は、杉並から片道4時間もかかる静岡県の南伊豆町に特別養護老人ホームを運営しています。私は遠すぎると思います。杉並区はたしかに土地に限りがあるので、杉並区外に特養ホームを作るという、今の区長のそのアイディア自体は悪くないと思います。

ただ、いかんせん、南伊豆は遠すぎると思います。ご家族が簡単にお見舞いに行くこともできない、やっぱり特養ホームは区内またはせめて区の近隣に作るという大原則に立ち返る必要があると思っています。家族の絆をしっかりと大切にしていける、そんな杉並区にしていきたいと思っています。

もしこの先、家庭を築かれることがあったときに、杉並区で子育てをしていきたい、そう思ってもらえるまちにしたい、していきたいと思います。

伊藤)はい、ありがとうございます。じゃあ、次の質問に行きます。
杉並区では、原水爆禁止の運動をはじめとしての環境活動だったりとか、市民運動が活発に行われてるイメージがあるんですけど。このような主体性を持った区民性についてどんな印象をお持ちですか。

田中ゆ)主体性を持った区民性といいますか、今二つのことをおっしゃいましたですよね。原水爆禁止署名運動発祥の地であって、このことは、杉並区民が今まで誇りにしてきたことであって、これからも誇りにしていってよいことだと私は思っています。

ただ一方で、どうでしょうか? 今ロシアがウクライナを侵略するという事態が発生いたしました。連日のように正視に堪えない、痛ましい日々が続いておりますけれども、私は原水爆禁止署名運動発祥の地であることを誇るだけではなくて、そのことを誇りに思うことも大事だけれども、一方で、本当に日本の平和、そして世界の平和を守るために、今、日本人が何を考えなければならないかっていうことを、しっかり日本人自身の頭で考え直す必要が出てきているというふうに考えています。

そういったことまでやっていかないと、やっぱり本当の意味で、自分たちの頭でものを考えるっていうことにならないと思います。今まではたまたま戦後70数年間、平和でやってくることができましたけれども、この先本当に世界の平和、日本の平和を守ることができるのかどうか、そこまでしっかり考えないと、私は、いけないと思うんですよ。

環境のことも、さっきおっしゃいましたけれども、例えば杉並区は今かつて美しい小川がたくさん流れていたんだけれども、それを暗渠にしてしまって、今は下水道になってるっていうようなそういう川が何本かあるんですね。

私は水辺の復活、かつてのせせらぎを取り戻すなんてことも、長い夢としてあってもいいんじゃないかと思うんですけれども。でもねやっぱり、そのような議論もなかなか聞こえてこない。例えば阿佐ヶ谷のまちづくりなんかでも、本当あの辺、かつては小川が流れていたんですよね。桃園川というのは下水化しちゃってるんですけれども、この下水だと、その大雨の時に氾濫するので、今第2桃園川幹線といって、もう一つの分岐下水道を作ろうっていうことは進んでるんですけれども、それももちろん大事なんだけれども、かつてあった、ある種の小川のせせらぎを蘇らせるという。

蛍の舞う美しい小川を取り戻すっていう。そんなようなこともね、しっかり考えなきゃ、本当に環境を論じるとまで言えないんじゃないかなって、そんなことを思います。

伊藤)なるほど。ありがとうございます。次の質問に行きたいと思います。
先ほどちょっとお話があったんですけど、子ども・子育てプラザが増えていって、今の区政の中で、乳児を受け入れるっていう体制って整理されてきたじゃないですか。けど、乳幼児が育っていった就学後も安心して預けられる場所、遊べる場所って今後増えていきますか。

田中ゆ)うん。施設再編整備計画を杉並区は進めてきました。私は区議会議員として、児童館機能がしっかり保たれるように十分に配慮するように、ことあるごとに、議会で、杉並区に求めてきました。それをしっかりやるよという答弁を受けてきました。

しかしこの間ですね。区民の方々からいただいてるお声はやっぱり非常に辛辣なものがありまして、現在の施設再編整備計画では、児童館の機能がしっかりと保たれていないと。そういう厳しいお声がたくさん届いています。

やっぱり、施設再編整備計画は見直すべきタイミングに来ていると思います。各児童館それぞれの利用実態があると思います。そういったものをしっかり鑑みて、そして、区民の実状に合わない部分については、児童館潰しは、見直す必要があると思います。

今だから児童館の機能のことをおっしゃってるのかなと思うんですけれども。

伊藤)そうですね、

田中ゆ)うん。今のままでは、ですから区民の方からいただいているお声からすると、非常に問題があると思います。施設再編整備計画を1回総点検をして、できっちり今おっしゃったような、就学後の第3の居場所ですよね。子供さんの第3の居場所がしっかりと保たれるようにもう一回総証しなくちゃいけない。

さっき保育園の話をしましたけど、これ同様のことが言えるんですけれども。やっぱりね、児童館機能の移転とかっていうのは、口で言うのはたやすいんですけれども、実際に本当にそのようになってるのかなっていうことは、やっぱり実情が伴っているのかどうかっていうことは、非常に不断の検証を要すると思います。

今私どもに届いている声は、児童館機能は継承されてないってお声が非常に多いですよ。ですから、そこのところをもう1回立ち止まって、やっぱりね学校の中に作るとかっていうのでは第3の居場所ではあり得ないと思うんですね。

やっぱり学校には、居づらさを感じる子供たちもいるわけですよ。だから学校の中にね、例えば居場所をつくるというようなことを言ってるけれども、果たしてそれで本当に子供たちの居場所を確保することになるのかどうか。

考え直さなきゃいけないというふうに思っています。

伊藤)はい、ありがとうございます。では次の質問に行きたいと思います。今お話してくださった児童館ですけど、私、実はこの3月に廃止になった児童館でアルバイトをしていて、結構人手がすごく足りなそうに見えたんですね。子供のケアに関わる仕事で、正規雇用のちゃんと専門的な知識を持った方を増やしていくのって難しいことなんでしょうか?

田中ゆ)先ほどお答えしたように、保育園の問題でも、保育士不足が非常に深刻なんですね。

それで近い例で言いますと、コロナの第6波のときに、杉並保健所がまたパンクしそうになって、このときは図書館と、それ等、区立郷土博物館、それと子ども・供子育てプラザを止めてそこで働く保育士や図書館司書や、あるいは学芸員の方々を保健所の救援に回したっていうことまでやったんですね。

それって、要するに、その子ども・子育てプラザとか郷土博物館とか図書館は不要不急の行政サービスだっていうふうに、杉並区は見なしているわけなんですよ。私は不要不急の行政サービスなんかじゃないと思ってるんですよ。

子ども・子育てプラザで働く保育士を不要不急だと言って、保健所の救援に回す。その辺に、現在の杉並区政の問題が非常に端的に表れているんじゃないかなっていうふうに思います。保育園をどんどんどんどん増やせばいいという、その思想、発想と相通じるものがあると思います。

私はだから、保育士や幼稚園教諭の処遇をしっかり改善したいと申し上げたのは、そういうことなんですよね。だから、ただ非常に数が、保育士の数とかも不足しているので、並大抵のことではないと思いますけれども、その掘り起こしといいますかね、でもしっかりとそこのところをやっていかないと、今、先ほどおっしゃったように、例えば子ども・子育てプラザで働く方々の人材難とかそういったものを解決することは非常に難しいと思っています。

本当にね、やっぱり箱だけじゃないんですよ、そこで働く方々のやっぱり技術とか経験ってものすごく大事なんですよね。

伊藤)ありがとうございます。はい。まず区長になったら、すぐこういったことでやっていきたいみたいなことがあれば教えてください。

田中ゆ)やっぱり保育士の方々の処遇の改善ということだと思います。それと、先ほど申し上げたように、区立施設の再編整備計画については、各館の利用実態に合わせて、各課の利用実態に鑑みて、その計画を1回立ち止まって検証をして、児童館の全廃計画というのは待ったをかけて、ストップをするということですよね。

やっぱり子育て支援の本質というものについてきちんと議論しなくちゃいけないというふうに思ってます。何か機能の移転とか、待機児童ゼロにするとかそういう目先の数字でね、済ませる議論じゃないと思います。

伊藤)ありがとうございます。次の質問に行きます。今私は西荻窪で暮らしていて、ちょっと西荻窪って学生からすると結構家賃が高くて、生活が苦しいんですけど。ちょっと噂で、再開発がすすんでいくと、家賃もどんどん上がっていくみたいな話を聞いたことがあるんですけど、西荻もこれから高くなっちゃうんですかね。

田中ゆ)西荻窪に、その再開発計画があるのかどうかということは、今現在行われている区議会でも話題になっています。それで今の田中良区長は、杉並区において現在そういう再開発の計画がないと、西荻窪についてそういう計画はないというふうに言っておりますけれども、その言葉をそのまま真に受けて良いのかどうかというのは私はわからないと思ってます。今も、今までも積み上げによる虚偽答弁というのは何度もありましたからね。

だから現在の区長の言葉をそのまま鵜呑みにはできないと思っているけれども、また一方で、西荻窪の再開発に反対だと、先日デモも行われましたね。そういう西荻窪の地域住民の方々にそういう例えば道路をね、拡幅してくれるなと、今のこの西荻窪の良さが失われるから、そういうことはやめてほしいというお声があることは私もよく存じておりますし、私のもとにもそういうご意見をいただいております。

またその一方で、何も再開発自体を全否定するものではないと。例えば、大火災が発生したときに、やはり緊急車両が安心して通行できるぐらいの道の広さは、キープしてほしいと、そういうお声も聞かれることは事実なんですね。

ですから、要するに西荻窪のまちづくりをどう考えるかということは、西荻窪の人たち自身が決めることだと思ってます。間違いなく言えるのは、現在の杉並区長の田中良さんのこのまちづくりに対する姿勢が非常にトップダウンすぎて、住民に対する説明をしっかり丁寧にやってないってことはこれも間違いないことだと思います。

自民党も共産党も区議会でそういうことを言ってます。住民に対する説明が足りてないんじゃないか。だからキチンと、住民の方々と膝を突き合わせて丁寧にそういう話をやっていかなきゃいけない。あくまでも住民自治の問題だと思ってます。私はまちづく’りっていうのは、行政はそれを後押しするサポートをする、今みたいなトップダウンじゃなくて、住民の方々に決めてもらう。

基本的にはですね、住民の方々のところにまず分けていって、そして、つぶさにその住民の方々のお声に耳を澄ませるっていうことから始めないといけないんじゃないでしょうか? 闇雲に何かある特定のですね、一方的な主義主張に与するのではなくて、幅広く西荻窪の方々のご意見の実相に耳を澄ませるっていう、まずそこに徹することから始めたいと私は思います。

伊藤)ありがとうございます。次の質問に行きます。私は西荻のバス通りを西荻窪駅までのルートとしてすごいよく使うんですけけど。私は道路について何か権利を持っているとか、そういうわけでは全くなくて、単に通行人という立場なんですけど。通行人としての意見もすごい重要だと思っていて、通行人としての意見を、今の道路拡幅の進め方だったりとか、これからの道路のことに、反映してもらうにはどうしたらいいですか?

田中ゆ)いま通行人とおっしゃいましたけど、実際に住んでいるわけでしょ。だから、単に通行人というだけじゃなくて、地域住民としてのあなたは、地域住民としての顔もお持ちでいらっしゃると思うんですけれども、先ほど申し上げたことと重なるかもしれませんけれども、地域住民の自らの手で地域の問題を解決していくまちづくりを進めていくっていうことが大基本だと私は思ってるんですね。

今ご質問いただいてるあなたはもちろんその通行人でもあるけれども、西荻窪に住んでもいらっしゃるわけですから、まさにそのまちづくりの主役でいらっしゃると思うんです。そのまちづくりの本来の主役であるはずの地域住民の方々によってこそ、まちづくりは進められていく、議論されていくべきことだと思ってます。

私がね、住民投票条例案。昨年のね、武蔵野市で可決されそうになった住民投票条例案について非常に懐疑的なのは、これ外国人参政権の代わりになる制度だと言われているわけですけれども、まちづくりの主役は住民だからといって、例えばその地域に3ヶ月住んでいればね、主役になれてしまって良いのかっていうことが、私の疑問意識としてあるわけです。それは武蔵野市の住民投票条例案についてもそう思うし、杉並区の自治基本条例についても思うわけですよ。

うん。何も外国人の方々を排斥するつもりは毛頭ないんだけれども、住民の方々に決めてもらうためにも、ですから場合によっては西荻窪のまちづくりというのも、住民投票を行って、住民の方々によって決めていただくっていうことも一つの選択肢として考えられて良いと思います。

そのためにも、外国人の方々の住民投票権というものを直ちに認めてよいのかどうかということが、私は非常に問題意識としてあるわけなんですね。私は西荻窪の地域住民にこそ決めてもらいたいと思っています。そのためにも、外国人の参政権、あるいは住民投票権というものを、安直に認めるということについては慎重であらねばならないというふうに思っています。

伊藤)はい。ありがとうございます。
ちょっといいですか、一つ。何か先ほどお話にあったように、住民投票で、まちづくりというか、道路を広げるか広げないかを決めるみたいなことだったと思うんですけど、0か100かで決めるいうものじゃないのかなと思ったりして、何かこう、今地域の人が持ってるアイディアとか、こういうまちになったらいいよねみたいなアイデアを拾っていきたいし。
道路に関して100%反対じゃないけど、みたいな人もいると思うんですけど、何かそういう方の意見を汲み取っていく方法みたいなのって何かありますか。

田中ゆ)おっしゃった通りだと思うんですよね、0か100かっていう議論に供すると陥りがちなんですけれども、おそらく住民の方々の思いは、そんな0か100かだなんていう単純なものではないと思います。

もちろん、こういうまちづくりのことというのは、100人いて100人が全く納得をするという、そういうのはなかなか難しいと思います。皆さんそれぞれに、あるところでは折り合いながら、それでもなるべく多くの方々がなるべく納得のできる、そういう回答を探していくっていうことが大事だと思います。そのためにもしっかりと地域住民の方々にお集まりをいただいて、そしてそのご意見に耳を澄ませ、そして最終的にどうしてもということであれば、最後の手段として、そういう住民投票っていった方法もあるかと思いますけれども。とにかく先ほどおっしゃったように、100か0かっていうわけじゃないですよ。

知恵を凝らして話し合っていくうちに、いろんなアイディアが湧いてくると思うんですね。うん。そういった過程を大事に、プロセスを大事にしたいと思うし、それが地方自治の本来の精神じゃないでしょうか?

伊藤)ありがとうございます。最後の質問なんですけど、ちょっと選挙に関心のない若い世代に一言いただけますか?

田中ゆ)選挙に関心のない世代に一言。一言で言えば、選挙に行きましょうということになりますけれども、かくいう私も恥ずかしながら、若い頃というのは、そんなに政治に関心があったとは言えません。私は実は劇作家でもありましてね、いろんなお芝居の台本を書いてきたんです。

で、あるときに、特攻隊という題材にぶち当たりましたよね。そして特攻隊の歴史のことをいろいろ調べるうちに、今の日本の安全というものが必ずしも未来永劫、確実に続いていくものとは限らなくて、それどころか今も非常に危ういものであって、日本の平和というものは、いつ脅かされてもおかしくないんだっていうことを、その特攻隊の歴史を調べるうちに初めて理解をしたんです。で、そのことに気がついたのは私も30代半ばだったんですけれども、今からでも少しでも皆様の人の役に立てる仕事はないかなと。

特攻隊のお芝居を書くことも大事だけれども、それ以前に何か人の役に立てることはないかな、と思ったんですね。でも今更自衛隊に入るということもできませんし、あれこれ悩んだときに、たまたま本屋さんで、「28歳で政治家になる方法」っていう、そういう本が目に飛び込んできたんです。

私はもうその頃30代半ばでしたけれども、地方議員を志すことになったんですね。今から11年前に、おかげさまで杉並区議会に送っていただきました。本当にね、生きていて、どんなことでも、政治と無関係ってことはあり得ないんですよね。

ちょっとお買い物に出かけるのに道を歩くだけでも、法律がいろいろありますよね。道のどっちを歩かなきゃいけないんだ、信号を渡るときのルールとかもありますよね、全部法律ってのがあるわけです。そしてその法律あるいは条例というものを作るというのは、政治家なんです。

政治って、特に若い方は敬遠している方がまだいらっしゃるかもしれませんけれども、それは我々政治家の側にも責任があると思います。ぜひ、その色眼鏡を取り払って、政治、どんなことやってるのかと興味を持っていただいて、必ずひとまず投票に足を運んでほしい。

投票に足を運べば、選ばなきゃいけないわけですから、少なくともポスターを見るでしょう。あるいは選挙公報ぐらいは見るんじゃないでしょうか? そこで見比べて、なるほど自分はこの人を信頼しようって気になると思うんです。

ですからやっぱり投票日には投票に行くと、それは必ず自分たちの生活に跳ね返って来ることですからね。それをお願いしたいと思います。

伊藤)はい、ありがとうございました。これで、このインタビュー終わりにしたいと思います。